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根っこの成長

2010年9月
環境から生まれるつながり〜お泊り保育〜

1009-1.jpg年長組では7月27日、28日にお泊り保育を行いました。今回の根っこの成長では、お泊り保育へ向かうにあたっての準備のことを中心にお話したいと思います。

「お泊り組さん〜!集まるよ〜!」と声をかけると、どこからともなく6人の子どもたちが集まってきます。どの子どもも何となく使命感をもったような表情でやってきます。
"お泊り組"とは、今回のお泊り保育を向かえるにあたってどんなことをしたいかということを考えたり、食事のメニューを考えたりする係です。この係は毎年あるのではなく「自分たちのお泊り保育の内容は自分たちで決めたい」という子どもたちの意見からできた係です。自分たちが話し合ったことをクラスに降ろし、クラスの意見を吸い上げ、またお泊り組で話し合いを行います。今年度の年長組はここでの話し合いを中心にお泊り保育の内容を考えていきました。

巻き寿司(太巻き・細巻き)、煮物(筑前煮・切り干し大根)、味噌汁、サラダ、フルーツあんみつ。これは、お泊り組の子どもの話し合いで考えられた夕食のメニューです。ぱっと見たところ、子どもが大喜びをするようなメニューには見えないと感じるかもしれません。
また、どうしても夕食にコーンスープが飲みたかった子どもがいました。お寿司との食べ合わせはどうなんだろう?と教師が提案し、実際に試作として巻き寿司とコーンスープを作り食べることもしました(結果、コーンスープは朝食にパンと一緒に出てきました)。この試作に関しても、自分たちだけが食べるのではなく、作ったものをクラス全員に配り食べてもらいました。お泊り組の子どもたちが他の子どもたちに働きかけ、そこから返ってきた反応を持ち帰って形を作っていくという作業を繰り返していきました。

夜の水族館をライトアップ、みんなで大きなものを作る(家や飛行機、電車など)、また星の観察、子どもたちからお泊り保育での活動としてあがり、行ったものです。
自分たちが製作した水族館をライトアップして楽しみたいということで、当日は照明を落とした中でセロファンを張った懐中電灯で魚たちを照らしました。年中時にセロファンを素材として使ったということもあり、照らし方についても子どもたちから声が上がりました。

1009-2.jpg大きなもの作りに関しては、ダンボールや空き箱を使って自分たちが入って遊べるお家を工作で作りたいという意見から始まりました。当日は4つのグループに分かれ、それぞれで考えて話し合いを行い、2階建ての家、海賊船、教会、大型バスを作りました。少ない素材を使い工夫しながら作業を行いました。そして星の観察については時間が押してしまい全員の子どもたちが望遠鏡をのぞくことができませんでした。
子どもたちからは、ここには書ききれないほどの意見と注文が寄せられました。ひとつひとつの事柄に関してのこだわりが強く、それを実現していくことは難しいこともありましたが、子どもたちにとっては楽しい2日間になったのではないかと思います。

"お泊り組"という係がパイプになり、子どもたちみんなでお泊り保育を作っていくことができました。お泊り組の子どもたちから刺激を受けたことで、周りの子どもたちも気がつくと、自分たちなりの意見ややりたいことを訴えてきました。教師が中心となるのではなく、子どもが中心となり行事を組み立てていく姿を垣間見ることができた機会となりました。

(暑くなければ行くはずだった)海に行ってないけど?(クッキングする予定だった)ホットケーキとアイスはいつ作るの?などお泊り保育が終わった後も、子どもたちから様々な声が上がってきます。この声に応えられるとしたら、いつぐらいになるだろう・・・?教師の密かな話し合いが行われています。まだまだ、お泊り保育は終わっていないのかもしれません。

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