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根っこの成長

2012年1月
響き合う子どもたち~クリスマス編~

 4本目のろうそくが灯されました。待ち望んだクリスマス。イエスさまのお誕生日です。「アドベント」という言葉をご存じでしょうか。イエスさまのご降誕を迎えるまでの4週間、1週目は1本、2週目は2本・・・とろうそくを灯して、クリスマスには4本目のろうそくが灯されます。そうしてクリスマスの喜びを待ち望む時を「アドベント」と言います。子どもたちも、お部屋でろうそくを毎日灯しては、クリスマスまでのワクワクする時を過ごしました。

♪ろうそくに火をつけましょう 今日はアドベント クリスマスを迎える準備 しずかにしずかに火をつけましょう ○本目のろうそくに♪

この歌がお部屋から響き始めるころ、子どもたちからはこんな声も聞こえ始めます。「わたしは、天使をやるよ。」「今日はコワイアーの練習したんだ。」年長組は、ひとりひとり役を担って、クリスマス礼拝でページェントを行います。ページェントは、イエスさまがお生まれになったその時を劇で表す生誕劇です。この2年間、3年間でクリスマスのお話や絵本を通して、イエスさまのお誕生を聴いてきた子どもたちは、それぞれにあこがれの役があるようです。イエスさまはどんなところでお生まれになったのかなぁ。どんな人がお祝いに来たのかなぁ。天使さんは、博士さんはどんな風に歩いていたのかなぁ。たくさん考えながら、与えられた役を担い、練習していきます。こうした役だけではありません。コワイアーという役割もあります。お話の流れに合わせた歌を劇中に歌います。たくさんの歌を覚えて歌うのです。練習の声は、遊んでいる子どもたちからも廊下を歩いている子どもたちからも響いてくるようになりました。そして、その様子をあこがれのまなざしで見ていた年中組の子どもたちは、そのページェントで星や羊の役を担います。年長組の子どもたちから「星と羊をやってください。」とお願いがありました。「やりたい!」とキラキラと目を輝かせる子、どんなことをするのかが分からず、「やりたくない。」と話す子もいました。しかし、日に日に子どもたちの心はクリスマスへと変化します。クリスマスの絵本を読むと、「この羊を○○ちゃんたちがやるんだよ!」と誇らしげに話します。星の歌が聞こえると、星という言葉が聞こえると、なんだか自然に手がキラキラとしてしまいます。こうして、ろうそくの火が増えるたびに幼稚園全体にクリスマスの気配が近づき、広がっていきます。

そうして待ちに待って迎えたクリスマス。たくさん考えたページェントは、子どもたちの心に小さな光として残っていくのだと思います。年中組の子どもたちは来年へのあこがれを抱いたことでしょう。そして、もう随分前に卒園した方で「幼稚園のときにこの役をやったんだ!」と目を輝かせてお話された方がいらっしゃるそうです。今年の年長組の子どもたちも、数十年後のクリスマスに「この役をやったんだ!」と誇らしげに話すのでしょうか。少しずつ少しずつ近づいてくるクリスマス。その間に子どもたちの心も、少しずつ少しずつ成長し、輝いていきます。そうして、子どもたちの心にクリスマスの喜びが、イエスさまのピカピカの光が届いてくるのかもしれません。寒い冬の暗さの中で、子どもたち1人ひとりの輝きが増し、幼稚園が明るくなっていくような気がしました。

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