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根っこの成長

2012年4月
自立(律)する子どもたち

 昨年度も70名の子どもたちが卒園していきました。名前を呼ばれ、「はい!」という元気な返事とともに、堂々と保育証書を受け取りに行く姿は、いつも以上に大きく大きく見えました。いよいよ巣立っていくのだと実感します。卒園式では、子どもたちの言葉を集めた歌を歌いました。その中に印象的な一節があります。

 

♪ふしぎなことなのに ふしぎなことなのに だれも教えてくれない 

自分で考えてっていわれちゃう!もうっ!!

だからいつも ぼくは自分で考えてきた

ひとりで何でもできるんだって いつもいつも思っていた

友達なんかいらない みんなのこと好きじゃないって 強がって

だれも教えてくれないから さびしい気持ち隠していた

大きな自然の力を見た時 こわかった 苦しかった

ひとりでは何もできないとわかったよ

だから みんなで生きることが大切なんだね 

力をあわせて

 

 卒園式では大きく見えた子どもたちですが、その成長の一歩一歩には、苦労したこともいっぱいあったと思います。初めての社会生活の中で、自分でどうすることもできない大きな試練にも出会ったことでしょう。大きな自然の猛威に驚かされたこともありました。幼稚園で過ごした2年間、3年間を振り返って、「もうっ!」と言いたくなるくらい、たくさんのことを考えてきたことが伝わってきます。日々の中で、行事を創り上げる中で、たくさんのことを「自分で考えて」きた子どもたちです。でも、自分で考えても、頑張ってもできない時。誰でもそんな時があります。そんな時にそばにいてくれる存在に出会えた幼稚園生活でもあったのではないでしょうか。平和学園幼稚園は「自立(律)保育」を行っています。「自立(律)」と聞くと、「自分で考える」「自分で何でもできる」と言うことが思い浮かぶものです。しかし、誰しもそんな完璧な人はいません。大人もそうです。自立(律)は決して周囲の助けを求めてはいけないものではないと思います。困ったら、自分で助けを求めること。友達と力を合わせる方法を考えること。それもまた自立(律)なのだと思います。

 今年度のテーマは「自立(律)する子どもたち」です。これからの1年間で子どもたちは、少しずつ自立(律)していきます。年少組は年少組らしく。年中組は年中組らしく。年長組は年長組らしく。そして、その子たち一人ひとりらしく。「自立(律)とは何か」考えながら、その一歩一歩を、この根っこの成長でお伝えしていきたいと思います。

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