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根っこの成長

2012年2月
響きあう子どもたち~ひきつぎ編~

 3学期が始まると、それぞれの学年で、進級、進学を意識し始めます。「もうすぐ」や「○○になったら」という言葉が多く聞かれるようになりました。

 ある日、年中組の子どもたちとこんな話をしました。「年長さんは、幼稚園のお仕事いっぱいしてくれてるよね。年長さんが小学生になったらどうする?」子どもたちの答えは、思ったよりもすぐに返ってきました。「ぼくたちがやるよ!」「だって年長さんになるんだもん!!」頼もしくなってきた子どもたちです。年長組でも卒園後のことを相談し、年長組から年中組へ様々な仕事を引き継ぐこととなりました。うさぎのお世話、やまのおそうじ、外片づけ・・・年長組のお仕事は本当にたくさんあります。1つ1つグループで教えてもらっているところです。年長組から学ぶ子どもたちの目は真剣そのもの。自分たちが頑張るんだぞ!という誇り、自分たちでできるんだ!!という自信。そんな思いに満ちています。その頑張りを、あれこれ手伝いたいのを我慢しながら年中組のためにそっと見守る年長組の子どもたち。こちらはもう小学生になるのだという雰囲気が感じられます。その年長組の期待を受け、教えてもらったことを思い出しながら一生懸命年中組の子どもたちは取り組んでいます。

 一方で、これまで年中組でおこなってきたホールのお片づけ。年長組にたくさんのお仕事を教えてもらう中、「ホールもできる?」と聞くと、「できるよ!」という頼もしすぎる答えと、「今度の年中さんにやってもらおう!」というアイデアとが出ました。結果、今度の年中さん=年少組の子どもたちにしてもらおうということになりました。その直後、「でも、片づけ方知らないと思うから、教えてあげよう!」という声があがりました。こちらではすっかりお兄さんお姉さんの年中組です。年少組の子どもたちを呼びに行き、交代で教えていきます。「もうすぐ年少さんに教えるんだ。」「今日は何グループ?」とその時をワクワクしながら待っています。しかし、実際に行ってみるとまだまだうまくいかないところもあります。遊びたくて逃げ出してしまう年少組。どうしていいか分からなくて、困って泣き出す年少組。そうした年少組に驚き、追いかけ、「大丈夫?」「こう持つんだよ!!」と懸命に教えて来るのです。きっと年中組の子どもたちには、大きな仕事なのです。引き継ぎが終わると、うれしそうな笑顔と疲れた表情でお部屋に戻ってきます。頑張った自分への誇りと頑張りすぎてしまった疲れと相まっているのでしょう。「疲れたよ~。でも楽しかった!」の言葉がぴったりです。

年長組への階段を少しずつ登り始めた年中組の子どもたち。まだまだうまくいかないことがあるけれど、子どもたちなりの成長がひしひしと伝わってきます。3月までの間、この引き継ぎは日々少しずつ行われます。あこがれのお兄さんたちから教えられ、自分があこがれの存在となっていく。まだまだ次の学年に「なる」ことはできないけれど、これから一歩一歩「なっていく」子どもたちが楽しみです。

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