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根っこの成長

2012年12月
自立(自律)する子どもたち~クリスマス準備編~

 

 平和学園幼稚園は少しずつクリスマスの色に染まってきました。毎年12月の半ばに、クリスマス礼拝が行われ、その中でページェント(イエスキリストの生誕劇)を年長組が中心となり行います。クリスマスを待つ準備は11月終わり頃から始まります。4本のろうそくを順番に灯しながら、本当のクリスマスのお話を聞いて、世界中の人々のことを考え、目を向け、今、私たちに出来ることをみんなで話し合います。今回の根っこの成長はクリスマス礼拝までの様々な準備について各学年の子どもたちの様子を通してご紹介致します。

 

年少組

 年少組にとって何もかもが初めてのクリスマスを迎えます。子どもたちに「クリスマスは何の日か知ってる?」と聞くと「サンタさんの日!」と答えていた年少組も日々ロウソクに火を灯すごとに沢山のことを考え、年少組なりに話し、考えました。

 園長先生から世界中には貧困のため悲しい思いをしている子どもたちがいること、また被災地の話を聞き、その後クラスに戻ってから考えました。「お洋服をあげたらいい」「ぼくたちのところに来れば病院にいけるよ」「お家を建ててあげようよ!一人では木を運べないからみんな手伝ってね」など話していたところへ。年長組のお姉さんたちが自主的に年少組のお部屋へ。「お姉さんたちも何が出来るか考えたんだ。それでね、献金箱を作ってるんだ。もし作り方がわからなかったら明日お姉さんたちのお部屋に来てね」と献金の意味を教えてくれました。その他にも、困ったときには助けてもらえること、沢山の人たちが支えてくれていることをも教えてくれました。

 私たちの身の回りにいる人のこと、遠くにいる人たちのこと、多くの人たちに支えられていること、沢山考えながら一つひとつを経験し、クリスマスの日を待っています。

 

 

年中組

 年中組の多くの子どもたちは、年少組の時にクリスマスを経験しています。子どもたちの中には、話をすすめていくと、昨年の献金箱、プレゼントを作ったことを覚えている姿が見られました。

 昨年の経験もあり、保育者は、今年もクリスマスを共に考え、小さいながらも、困っている人々のこと、「みんなは困っている人に何ができるだろう。」と投げかけました。子どもたちは自らの生活で得た思いを発言し、仲間と共に話し合い、他児の意見にも耳を傾けながら話し合いを繰り広げます。「服をあげたらいい」「ご飯をあげたらいい」「お家に泊まらせてあげる」「お熱のときの冷えピタをしてあげる」「お薬をあげたらいい」などなど、話を繰り広げました。その中で、「どのように困っている人に届けよう」「本当に困っている人たちが必要な物は何だろう」と気付き始めます。保育者もサポートしながら、たくさん考えました。そして「かみさまの御用のために献金しよう。」という考えに辿り着きました。ここまでの道のりは、決して簡単なものではありませんでした。時に遠回りをしながらも、保育者も子どもたちも一緒に考えていきました。そこから献金を集めるための箱作りが始まります。どういう気持ちで、作っていけばよいのか子どもたち一人ひとり、考えながら行っていきます。

 年少組の1年間で培った経験を、子どもたちは年中組の1年間で、さらに深め、自立(自律)へと歩んでいきます。

 

 

 

年長組

 年長組の子どもたちは集大成ともいえるクリスマスのページェントを迎えます。それまでの間、子どもたちは多くの準備を行います。献金箱を作り、自分たちで考えたプレゼントを作り、劇の練習をし、年中組に劇のお手伝いのお願いもしました。子どもたちに献金箱を、プレゼントを「何のために作るの?」と聞くと、「困っている人のため」「ママにいつもありがとうを伝えるため」「イエスさまのうまれたことをお知らせするの」と話します。子どもたちは自分自身の事だけでなくたくさんの人のことを考え、クリスマスに向けて日々過ごしていきます。

 そんな忙しい日々の中でも、年少組のことを思い、自らすすんで献金の話をしてくれる年長さん、クランツを作っている時に年中組の質問に応えてくれる年長さんは、自分より小さい子どもに目を向ける事ができる立派な姿を見せてくれます。

 これまでの数多くの経験が、クリスマスという行事の中で、子どもたちの自立(自律)につながっていると感じた場面でした。

 

 

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