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根っこの成長

2011年7月
響きあう仲間たち〜もこもこ編〜

「もこもこ」子どもたちから、そんなかわいい響きが聞こえてきます。
「○○ちゃん、今日ね、もこもこなんだ!」

「もこもこ」は、今年度から始まった預かり保育の名前です。保育後園内で、おやつをみんなで作って食べたり、遊んだりして過ごします。そこには、おとなりの平和学園小学校の学童保育の子どもたちもやってきます。「ただいま!」と帰ってくると、園児よりもダイナミックに遊び、園内には幼稚園児から小学校高学年までの子どもたちの声が響き始めます。
その子どもたちの間で流行っているのは、園庭での川や海作りです。シャベルでせっせと掘って海をつくり、たらいで「いっすんぼうし」になっています。幼稚園児だけでは、できない遊びです。おもちゃのシャベルではなく、パワーシャベルで掘っていくのですから、なかなか本格的で、かなりの深さにもなります。

ある日、小学生が宿泊学習である自然教室に出かけるため、数日来ない日がありました。その前日、通りすがりの2人の年中さんは小学生に声をかけられました。「ねぇ!明日から来れないから、この海が壊れないように守っておいて!」突然のことに足はとめたものの顔を合わせて固まってしまった年中さん。「お兄さんたち、明日からおでかけで来れないんだって。」と補足すると、「うん。いいよ。」と言って、しばらくその海作りの様子を見ていました。

「先生!壊れてなかった。守っておいた。」2日後、遊んでおへやに帰って来た、その年中さんは言いました。わたしは忘れていて、一瞬何のことだろうと思いましたが、その子が手にシャベルを持っていることで気がつきました。この子は、あの突然の約束をちゃんと覚えていました。一緒に遊んだことはないけれど、幼稚園に来ている大きな大きなお兄さんとの約束をちゃんと守ったのです。
本当に日常の小さな一瞬ですが、そこには、響きあいがありました。こうして幼稚園内のお友達だけではなく、様々な人と出会い、関わり、子どもたちは成長していきます。

先日、年長さんと小学生とのお弁当交流会がありました。お弁当を食べながら、小学生がリードして「幼稚園ではどんなことをして遊んでるの?」「好きな食べ物は何?」とお話していました。
一方で、遠足では、年長さんは年少さんの手をひいて、一生懸命声をかけながら歩きました。年少さんのお世話をし、小学生からはお世話される年長さん。少しずつできることは変化しながら、愛し、愛されて大きくなる子どもたちです。きっとそれまで受けてきたものを、次の小さな子どもたちに同じように与えることができているのかもしれません。子どもたちの響きあいは、受け継がれていきます。

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