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根っこの成長

2012年9月
自立(自律)する子どもたち~水族館編~

 

  平和学園幼稚園では、毎年5月の終わりから7月の初めまでの約1か月の間、水族館活動という活動が行われます。

  水族館活動とは、年長組の子どもたちの水族館をつくりたいという声から始まる活動です。なぜこのような声が出るのでしょうか。それは子どもたちが年少組、年中組の時に、年長組のお兄さん、お姉さんが水族館をつくっていた姿があるからです。子どもたちは水族館を見学しに行きます。当日までの間、子どもたちは様々な事を話し合います。「バスの運転手さんにお願いしたらいいんじゃないか」「メモをとったほうがいいんじゃないか」「図鑑をもっていこう」ということも考えます。

  いよいよ当日です。わくわくの気持ちをもって子どもたちは江の島水族館を見学します。見学中は真剣そのもの、メモをたくさんとります。水族館を見学した後、バスの中で子どもたちと感想を話し合います。「おおきな魚がいた」「いかがチューしてた」「きのこのかたちのクラゲがいた」など、子どもたちの発見、感じ方は様々です。このような会話の中で、自分たちから水族館を作りたいという気持ちになり活動に入ります。

  今年の年長組の子どもたちも1か月の長い期間を、楽しみ、悩み、葛藤を抱きながら、子どもたち同士、教師、家族と支え合い、水族館を完成させました。その様子を他学年との関わりも含めて少しお伝えしたいと思います。

 

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~年中組との関わりを通じて~

 年中組の子どもたちは、年少組の時に水族館を作っていく様子を見たことがあります。その記憶が少し残った中で、今年の年長組の子どもたちが水族館を作っていく様子を「何を作っているんだろう」と、興味津々に見つめています。年長組の子どもたちに「何を作っているの?」と質問をしたり、段々と水族館ができてくると「ホールが水族館になってる!!」と興奮した姿を見せてくれます。「ぼくは年長さんになったらジンベエ作るんだ!!」「わたしはニモ」とお弁当の時にそのような話をしています。「さわっちゃだめだよ」とやさしい声の年長組さん、「発表をするから見に来てください」と声をかけてくれた年長組さん、そのような関わりが随所に見られます。

 水族館に興味を持ち、目を輝かせる年中組の子どもたち、その子どもたちを大きな心で受け入れる年長組、その関わり合いが来年の年長組を育ててくれているのでしょう。

 

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~年少組との関わりを通じて~

 年少組の子どもたちは、「年長組のお兄さん、お姉さんがなにかしてるな~」「ホールにお魚がいるー」「ホールが遊べなくなってる~」このようなことを思いながら、日々過ごしていたことでしょう。水族館をみて年少組の子どもたちは小さいなりに様々な事を感じています。その感じていることが心に蓄積し、再来年の活動へとつながっていくのでしょう。

 

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 このように一つの活動を通して、子どもたちの内側には多くの経験が蓄積されていることがわかります。幼児期のこうした子どもの内側を今後も大切にしていきたいと思います。

 

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