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根っこの成長

2010年4月
環境から生まれるつながり

今年度の根っこの成長では幼稚園の色々な環境の中で子どもたちにどのような関係が生まれてくるのか、また、一つの環境が子どもたちにどのような影響を与え、様々な人間関係が生まれているのかご紹介したいと考えています。

4月は園舎の配置から生まれる関係を紹介いたします。

平和学園幼稚園の園舎は、年少組3クラスは下記の図のように幼稚園の真ん中に配置されていますが、年中組と年長組は隣同士に配置されています。これは、長い間この配置を行っています。

年少組3クラスが近い配置の理由は、年少組は年中組・年長組との生活のリズムが異なることと、ゆったりとした空間、温かい雰囲気などの中で育って欲しいと願っているからです。

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【クリックすると拡大した画像を見ることができます】


次に、年中組と年長組が隣同士の理由です。

1. 年長組の日々の姿を年中組の子どもたちが間近で見ることによって、良い刺激となり、影響を受け、活動することができる。(年長組は自分たちの遊びをつくりだし、遊ぶことの楽しさを見て学ぶ)
 
2. うさぎのお世話の仕方や、外掃除のやり方、バイクなど外遊具の片づけ方などを年長組の子どもたちから年中組の子どもたちへ教えることができる。
 
3. クラスや年齢を超えて一緒に遊ぶ。(日常的ではない)
 
4. 年長組が活動で部屋を空けている時間に年中組の子どもたちが、隣のクラスのことを気にかけることができる。(例 お弁当の用意など)

同学年の子どもたちとは学年の活動、または日々の遊びの中で育ち合いますが、あえてクラスを隣同士にすることで縦のつながりが生まれます。この配置は年中組・年長組の二学年にとって育ち合える環境であるということと、子ども社会の中からたくさんのことを学び取り自分の力にして成長していくのではないかと考えているからです。

009年度の卒園式では、年中組の子どもたちが『ありがとうともだち』という平和学園幼稚園のオリジナルの歌をうたいました。


ありがとう ありがとう わすれないよずっとずっと 
となりのへやのともだちは いつもぼくのあこがれだった 
いろんなことをおしえてくれて たすけてくれたよね おぼえてる 
ひろいグランドをいっしょにはしった おもいでは ずっとこころのなかにある 
いっぱいあそんでいっぱいけんかして それでもかたをくみながら
だいすきな うたをうたったよね

平和学園幼稚園の年中組と年長組の子どもたちの関係は、この歌の中に集約されたものです。年中組の子どもたちは卒園式にこの歌を大きな声で歌い、年長組の子どもたちを送り出していきました。そして、今度は自分たちが年長組になる番です。
このようにして平和学園幼稚園の子どもたちの心と体は成長していきます。

集団生活の中では人格形成の発達に大きな役割を担う様々な関係が生まれてきます。特に幼児期は環境(人的、物的、空間など)によってこどもたちの感性が豊かに育まれるとても大切な時期であると思います。


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