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根っこの成長

2016年4月
小さな子に寄り添って

~園便り《母ばと 子ばと》 5月号より~

 入園式を終え、新しいおともだちを幼稚園に迎えてから3週間が経とうとしています。まだまだ年少さんにとって幼稚園は慣れない場所、不安や楽しさなど様々な思いを持ちながら、毎日幼稚園にやってきます。年少さんにとって毎朝のおうちのひととのお別れは一大事。目に涙をいっぱい溜めて、いってきますをします。そんな子どもたちにお母さんもほろりとしてしまう時も...子どもたちにとってはもちろん、おうちのかたにとっても幼稚園が一日も早く安心できる場所となればと願っています。

 新しい場所に分からないことばかりの年少さんを支えてくれるのが、年長さんのお兄さんお姉さんです。朝の支度を教えてくれたり、お片づけを手伝ってくれたり、朝バスで来る子どもたちの手をつなぎ、部屋まで連れて来てくれるのも年長さんです。泣いている年少さんに 「だいじょうぶだよ。ママはすぐにおむかえにくるよ」と励ましてくれる場面もよく見られます。そんな年長さんにも年少さんのときがありました。ある年長さんに 「Aくんもママに会いたくて泣いちゃったことあった?」 と保育者が聞くと 「うん、あった。いまはもうないけどね。」 と恥ずかしそうにしていました。頼れる幼稚園の大先輩です。

 涙の多い年少さんですが、最近、天気が良い日も続き外での水遊びも盛んになっています。ちいさなからだですが、水を運んだりシャベルで穴をほったりなどたくましく見えます。始まったばかりで気持ちの揺れ動きもありますが、子どもたちが楽しい時も悲しい時も、保育者全員で子どもたちの心に寄り添い、その成長を支えていきたいと思います。ご協力をよろしくお願いいたします。(年少組教師)

 こうして幼稚園の毎日が過ぎていきます。年少組の小さな子どもたちは、自分を理解してくれる一番身近な子どもたち(年長組)によって支えられ、自分の生きる場所をみつけていきます。また年長組の子どもたちは、小さな年少組の子どもたちに関わることで、人のために働くことの喜びや大変さを学び、年長組らしく歩めるようになるのです。そして、この関わりを横目で見ている年中組の子どもたちは、ただ見ているだけではなく、年長さんの背中を追いかけていきます。この4月・5月は大人から見ていると、何だかごちゃごちゃして見えたり、落ち着かない様子に不安が募りますが、少し我慢をしてください。ゆっくりな歩みがどれほど大切な時かを子どもたちが教えてくれるはずですから。

 

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