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れんらく帳

みんなの仕事は「あそぶこと」

2014年5月22日学校生活

 「しぜんきょうしつ、がんばるぞ~!!えい、えい、おー!!」

1年生にとってはじめての“円陣”からスタートした自然教室でした。

自然教室ってなに?そんな様子の子どもたちが、どのように過ごしていたかを少しお話しします。

子どもたちは、実に様々な十四人十四色の想いを持って、この行事に臨みました。楽しみで楽しみで仕方ない子がいました。カレーライスに想いを馳せる子もいました。遊びつくすことを目的とした子たち、みんなで寝られることにワクワクしている子もいました。反対に不安で不安で仕方がない子もいました。お母さんと離れることが心配、嫌いな食べ物が出ないか心配、寝られるかが不安、話し出したら尽きない心配や不安も同時にありました。実に1年生らしく支えがいのある自然教室前の1~2週間だった気がします。そのような想いもリュックサックの隙間すきまに詰め込まれていたのです。

 

バスが動き始め、おうちの人たちに手を振る子どもたち。浜須賀の交差点のあたりで僕の近くに座っていた子がポツリ。

「お母さんと離れるの寂しいな。」

次第に2~6年生の活気あふれる声が聞こえ始めます。1年生たちもそのムードに乗り始めて、にぎやかになってきました。乗車して1時間もすると、お母さんのことよりも、お尻が痛いことが気になりだす子どもたち。

「あと何分でつく?」の大合唱。

それでも富士山が見えると文句はやみ「ふじさんだ!!」の教えあい。

そんな、やりとりを繰り返しているうちに気が付くと山中湖。道の先にガソリンスタンドが見えると上級生から「あそこを曲がれば到着だ!」の声。約2時間でYMCA山中湖センターに到着しました。

到着して荷物を宿泊する部屋に置き、お弁当です。いつも20分休み明けには腹ペコの1年生。やはり、お腹を空かせているらしくあっという間に平らげてしまいました。おやつを食べて少し自由に遊びました。

 

 その後、開会礼拝が行われました。YMCAの方からベッドメイキングについて教わり、2日間過ごすにあたってのルールを確認しました。

 そして、待ちにまった“デラックスタイム”です。大きな木の下で待ち合わせ。6年生と過ごす、楽しい時間の始まりです。最初に行ったのは、じゃんけん列車。ジェンカの音楽に合わせて踊りながら行います。みぎ!みぎ!ひだり!ひだり!まえ!うしろ!まえ!まえ!まえ!と大きく体を動かします。じゃんけんぽい!の声に続いて聞こえる歓声。どんどん列が長くなっていきます。

 続いて行われたのは“だるまさんの1日”です。どんなゲームだったかは子どもたちに聞いてみてください。ここで小さな事件が勃発。オニになれなかった1年生が泣いてしまったのです。その子の周りに6年生が集まり説得してくれます。しかし、悔しさは簡単に消えるものではありません。泣きのもう1回はなく、次のゲームを楽しもうと声をかけてくれました。寄り添いながらも大きくなるためのお手伝いをしてくれる6年生です。氷オニ、しっぽ取りと遊びは進んでいきました。

次第に気持ちが持ち上がり、また楽しみ始める子ども。

気持ちが盛り上がるまで、ずっと抱っこをしてくれていた6年生。

声はかけずとも目線を配ってくれる6年生。

仲間を心配して寄ってくる1年生。

1人の子のために、たくさんの子どもたちが自分にできうる投げかけをしてくれました。みんなが、それとなく抱えている不安。いつもの学校ならこぼれないように、溢れないように過ごすことができるのでしょう。しかし、ここは山中湖。ちょっとしたことで、こぼれたり、溢れたりしてしまいます。誰も言葉にはしませんが、お互いの気持ちをなんとなく理解しあっていたのかもしれないなと感じました。デラックスタイムのクライマックスは湖畔散歩でした。遊んでクタクタになった1年生は足元がおぼつかなかったり、唇をとがらせてみたり、少しだけわがままになっていました。抱っこにおんぶにといたるところに小さな親子の姿が。「それでいいんだよ」とバスの中で見たよりも大きくおおきく見える富士山が見守ってくれていました。

 

ひとしきり歩いて宿舎に戻ろうとすると特別ゲストが。コブハクチョウです。目の覚めるような白。想像以上に大きな身体をしています。みんなで取り囲んで観察しました。翌日、雨のため湖畔散策ができなかったので、ここでハクチョウに出会っておくことができて本当に良かったです。1年生と6年生との魔法のような時間はこれでひとまずおしまいです。

 

身体がくたびれて、お腹も空いて、適度に寂しくなり始めて、1番かわいい状態の1年生。お風呂で汗を流して大きな浴槽でぷかぷか。さっぱりしたかと思えば、気がつくと身体は食堂へ。既に美味しそうな匂いが漂っています。全てのグループのカレーをブレンドしたスペシャルカレーをいただきました。このあと、昼休みでもないのに、どうした!?と言いたくなるほどの早さでスプーンが動いています。1杯、2杯、、、。どれだけ食べたか子どもたちに聞きましたか?あっという間に鍋か空っぽになりました。

ここで一句:空腹に  染み入る水は  カレーかな

  夕飯のあとは明日に備えて、のんびりと過ごしました。学園の宗教主任の横山先生と夕拝をまもりました。6年生に感謝のお手紙を書きました。

「○○へ たくさん だっこしてくれて  ありがとう(泣いていた子のお手紙)」

「○○くんへ  ○○くんを  みると ほっとするよ。」

と素直な気持ちが綴られていました。8時を回ったころには目をこすり始め、あくびを繰り返す子どもたち。1つの部屋に集め絵本の読み聞かせをしました。歯磨きをして、眠りにつきました。あっという間に静かな寝息が部屋の中に響き渡ります。なかなか寝付けない子、寂しくなってシクシク涙する子もいましたが疲れた身体は正直です。麻衣子先生のマジックハンドによるトントンで眠ってしまいました。

あっという間の1日でしたが振り返ると濃厚な1日。どんな夢を見ていたのでしょう。時折、子どもたちから発せられる寝言がおもしろかったです。2日目はどんなことがあったのでしょうか。

そのお話は翌日のHPに掲載しますので、おたのしみに。 

1年学級だより 「エンジン」より

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