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れんらく帳

リーダーのたまご

2014年5月19日学校生活

2泊3日の自然教室。

5年生は全員参加、しっかりと力を出し切って帰ってきました。これまでとは違って、参加し、楽しんだことでの充実感だけではなく、リーダーとして責任を果たした達成感のようなものもたくさん味わったのではないでしょうか。お子さんからたっぷりとお土産話を聞きましたか?

初日は、お天気にもめぐまれ、とても良いコンディションの中でカレー作りをすることができました。

14:00、他の学年よりも先に食堂に集合しした。時間は押していましたが、誰一人遅れることなく集まりました。みんな、これから大任を果たそうとする引き締まったいい顔をしています。軽く打ち合わせをしたあと、調理道具、材料などを炊飯場に運びました。2~4年生と合流し、いよいよ調理の開始です。

5年生がてきぱきと指示を出し、サッと作業に取り掛かるグループもあれば、うまく伝えることができず、下級生が何をしたらいいかわからずにモタモタしているグループもあります。時間が経つとともに、うまくいっているグループに歩調があっていくのが全体で作業をするいいところです。皮のむき方、野菜の切り方など、5年生が下級生に教えている姿もあちこちで見られました。

早いグループは、もうカマドに火をつけようとしています。

「まだだよ!マキがなくなっちゃうよ!」

「だってえ!・・・」

学校での着火特訓の成果を見せたくて仕方がないようでした。

だいたい野菜を切り終えたところで、着火。あちこちでマッチを擦る音がします。まず、新聞紙に火がつきました。

やった!

喜びもつかの間、マキには火が移らず

・・・消・え・・た・・・!

失敗にめげず、何回も挑戦します。

「やったあ、ついたあ!」

と歓声をあげるグループもありましたが、

「5年生としてのプライドを捨てるので、先生、つけてください。」

というグループも。もちろん、私がやれば一発でつきます。

大きく遅れるグループもなく、みんな炒める工程に入りました。焦げないようにかき混ぜる作業は「やけど」の危険が伴うので、どの班も5年生が中心になってやっています。いろいろ考えて煙を避けても、ちょくちょく風向きが変わるので、結局、煙まみれになってしまいます。涙をボロボロ流しながらも焦がさないように必死にかき混ぜていました。みんなでおいしいカレーを食べるんだという強い気持ちの表れです。

肉も炒め、玉ねぎの香ばしいいい香りがしてきたところで水を入れます。

グツグツグツグツ。

どの鍋もいい感じで煮立ってきました。火の番の責任も5年生なので、油断はできません。「先生たちが『そろそろいいよ』とどんなに誘惑しても、野菜が柔らかくなっているかどうかをしっかり確かめてからルーを入れること」と言ってあったので、どのグループもちゃんと試食をしていました。ルーを入れて少し煮込んで完成です!

残念ながら一つだけスープになってしまった班がありましたが、ほとんどが「とろーりとろけるいい感じのカレー」になりました。同時進行でサラダも作りましたが、こちらも上手に仕上がりました。±10分程度の時間差で出来上がったので、1~6年生まで全員で「いただきます」をすることができました。「おいしい!」今年のカレーは格別です。たっぷり炒め、とろみ加減もばっちりで、コクも旨みもあるため、どんどん食が進んでしまいます。例年は「もったいない!」というくらい残飯が出ますが、今年は、ほぼ完食!ほとんどの鍋は、見事に空になっていました。片付け⇒夕拝⇒夜食⇒就寝と進み、一日目は無事に終了しました。

夜中からポツポツ雨音がしていました。

予報通り、二日目は雨。

体操も朝の礼拝も室内で。石割山登山も山中湖畔ハイキングも中止で雨プログラムになってしまいました。半分はYMCAのリーダーによるゲーム、半分は自分たちで計画した「雨プロ」で楽しみました。YMCAの方がやってくださったゲームは「さすが!」という感じで子どもたちは大いに楽しみ、私たち教師の引き出しも一つ増えました。自分たちで立てた「雨プロ」は、班による差が大きかったかな?

また、お昼の前に「お菓子を食べてしまう」というルール違反が発覚し、昼食時に全員の前で謝るという事件もおきました。その中には五年生も混ざっていました。みんなで楽しく生活する上で約束やルールがどういう意味を持つのかを全員で考えるよい機会になったと思っています。

夜は、雨こそ止んでいましたが、足下が悪い上に霧が出たりしていたため、キャンプファイヤーではなくキャンドルファイヤーになりました。6年生が中心になっての新聞紙ゲーム、ボール送りゲーム、そして、クライマックスはダンスです。曲は「train train」。もう、みんなノリノリで踊りまくりました。すごい盛り上がりです。大雑把な振り付け指導はありますが、細かい指示は何もないのに、参加者の動きが一つになるのも平和のファイヤーダンスのすごいところです。6年生があまりにも生き生きと踊るので、下級生は真似をしたくなってしまうのでしょう!6年生を必死で見て真似をして、あっという間に覚えてしまいます。

ダンスの興奮が覚めやらぬ中、最後は恒例の6年生からの一言。

「私たちにとって最後の自然教室です。」

「下級生のみんなのおかげでいい自然教室になりました。」

「来年、私たちはいませんが、がんばってください。」

「6年生の残された日々を楽しく過ごしていきたいです。」

「今しかできないことを思い切りやってください。」

切々とした言葉が発せられます。泣きながら必死で話す女子もいます。来年は、自分たちがこうしてみんなの前で話さねばならない5年生は、どんな思いで6年生の言葉を聞いたのでしょう。きっと、6年生が卒業するまでの10ヶ月間で、しっかりとバトンを受け取ってくれると思っています。

明けて三日目。昨日の雨が嘘のような良いお天気。バードウォッチングも朝の体操も富士山を前にしてのグリーンチャペルでの礼拝もすることができました。荷物の整理や部屋の片付けも大変スムーズで、爽やかな気分で湖畔散策もできました。昼食⇒閉会礼拝を終え、「もう一泊したい!」そんな思いを持ちながら、山中湖を後にしました。

私が見る限り、5年生、頑張っていました。「下級生に楽しい自然教室を過ごして欲しい」と6年生とともによくグループを引っ張っていたと思います。「あー、楽しかった!」というより「役目を果たせてホッとした!」というのが本音という5年生が多かったんじゃないかな。「ホッとした」感があれば、大丈夫。「リーダーのたまご」が「ひよこ」になる日も近いでしょう。

5年学級だより「うみ2」より

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