卒業生の 八木 健(やぎ たけし)さんをお招きしました。
八木さんは、在学当時の平和学園小学校や茅ヶ崎の地についてのお話、そして77周年を迎えた平和学園で学び学校生活を送っている私たちが生きていく意味について考える貴重な話をしてくださいました。
以下、八木さんのお話です。
『みなさん、おはようございます。創立記念日、おめでとうございます。私は八木健と言います。今年小学1年生になった○○○○のおじいちゃんです。私は70年ほど前に平和学園の幼稚園に通い、小学校へと進み、この平和学園を卒業しました。
今ここに、小学校卒業の記念にいただいたアルバムを持って来ました。私の母が小学生の頃の懐かしい写真をこのアルバムにいっぱい残しておいてくれました。私の家は、学校から歩いて20~30分くらい、もう少し茅ヶ崎駅の方に行った所、旭ヶ丘の辺りにありました。周りはサツマイモ畑や田んぼ、松の雑木林が多く、小学校3年までは歩いて通っていました。4年の時に中海岸に越し、自転車で通うようになりました。
昔の茅ヶ崎は、お百姓さんが使うリヤカーは見かけても、自動車なんか見たことありませんでした。道路もあぜ道と言って、畑や田んぼを縫うような細い道でした。自然には恵まれていて、ドジョウやフナを採って来て家で飼ったり、シオカラトンボやギンヤンマも沢山いたので、ラチエン通りの海の方に採りに行きました。また、茅ヶ崎の海で拾った貝殻の名前を調べて標本を作って夏休みの宿題にしたこともありました。
小学校の友達たちは大変仲良しでいつもあだ名で呼び合っていました。私は八木(ヤギ)メイメイ、いつもメイメイと呼ばれていました。いい友達が沢山できて、今日はその中から2人の友達が一緒に来てくれました。学校ではドッジボールやソフトボールが盛んでした。関東学院の六浦小学校まで、ソフトボールの試合に行ったこともありました。
学校からは、いろんな体験をするために毎年いろんな所に遠足に行きました。大磯の広々とした砂浜や磯遊び、真鶴岬の三石で遊んだこと、御殿場線で山北に行ったこともありました。たしか、滝を見に行ったんだけど、雨に降られて帰って来たことを覚えています。修養会もキャンプファイヤーしたり大変楽しかった思い出です。
もちろん、勉強もしました。私は算数や理科が好きでした。私の家の近く、旭ヶ丘に横山先生のお家がありました。よく遊びに行き、先生と天体望遠鏡で夜空を見上げて星座のことを教えて頂き、とても興味を持ちました。私は大人になって会社に入り、金属や鉱石、地質などの仕事をしてきましたけれど、横山先生が教えてくださったことをよく思い出しました。
さて、今日私は聖書のお話としてマタイによる福音書5章9節『平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。』というところを選びました。
イエスさまがガリラヤという地方で人々に、天の国、神様の国についてお話を始められました。そして集まる人々を見ながら山に登り、イエスさまのそばに集まる何人かのお弟子さんたちに『神様に愛される人たちの生きる道』についてお話されました。
イエスさまは、『平和を造り出す人たちは、神様に愛される。』と教えられました。平和というのは「人と人が仲良く暮らすこと」です。「戦争をしないこと」です。みんなが平和な世界を望んでいても「頑張らないと平和になりません。」。
私たちは、けんかをしたり、人をいじめることの方が得意だからです。放っておけば、人と争い、相手をせめたりします。だから、この世の平和のために頑張ることには、大きな意義があります。
相手のことを思いやること、相手の人に優しくすることが大切です。それでも私たちには何か不安な心が残ります。私たちの中には、意地悪な心があるからです。そういう私たちに『あなた方は神さまの子どもたちなんだよ』とイエスさまがおっしゃっています。
私たちの弱いところを全部ご存じのイエスさまが一緒にいてくださって、力強くこの世界を歩んで行けるようにしてくださいます。
弟子のパウロさんは『イエスさまを信じて生きる人は、神様から平和をいただいてます。』と言われました。私たちは『平和を造る人なんだよ』と言われているのです。そういう私たちのことを神の子と呼び、『神様に愛されているんだよ』とイエスさまは言われました。
平和学園小学校は、人と仲良くすることを教えてくれる学校です。
イエスさまは皆さんのことも、神の子と呼んでくださいます。
この世界にあって、神様を信じ、真の平和を造り出す神の子として歩んでください。』
そして最後に以下の祈りに合わせて共に祈り、創立記念礼拝は終わりました。
『天の父なる神様、今日は平和学園の創立記念日に子どもたちみんな、また同級生の懐かしい友達と一緒に礼拝することができて心から感謝いたします。
平和を造り出す人として、一人ひとりが成長していくことができるよう、一緒に歩んでください。
子どもたちと共に歩む先生たちも神さまに守られますように。
平和学園が益々平和を造り出す地域の学校として歩むことができますように。
神さまに導かれる学園でありますように。
このお祈りを神さまのお名前を通して御前にお捧げ致します。 アーメン』
八木さん、本当に貴重で、大切なお話をありがとうございました。