うんとこしょ!どっこいしょ!
朝、8時15分。職員室のドアをノックする音。
返事をすると入口に1年生が3人。何やら伝えたいことがある様子です。
「何か用かな?」
「1時間目に『おおきなかぶ』の劇の発表をするから、見に来ていいよ。」
職員室中にいる先生たちに参加できるか否かを聞いています。
(本当は職員室内に入れてあげたいのですが、成績等をつけていいるため
子どもたちは、入室できず入口に立ったまま大声でやりとりしています。)
それぞれの先生へのインフォメーションを済ませると1年生たちは去っていきました。
登校して支度を済ませて、まずここに来たのだろうなという時間。
子どもたちは「おおきなかぶ」を発表するのが楽しみだったのでしょう。
自分たちだけで、楽しむのではなく人にも見てもらいたい。自分たちの力を示したい。
入学してから3カ月。そんな部分も育ってきたのもあるのでしょう。
1年生の成長速度の速さには驚かされます。
そして本番。
みんなが、声を揃えて「おおきなかぶ!」と言ったところから物語が始まりました。
ナレーターが劇を進め、役の子どもたちが恥ずかしがりながらも演技をしています。
台詞が飛んでしまうと、大きな大きな独り言が助けてくれます。
ナレーターは、同じことを何度も読んでしまいつつも諦めずに軌道修正して話を進められました。
繰り返し、繰り返し、おばあさん、孫、動物たちが援軍にやってきてかぶを抜こうと力を合わせていきます。
「うんとこしょ、どっこいしょ!」の掛け声が、どんどん揃っていきます。本当におおきなかぶを抜いているかのような臨場感が伝わってきます。最終的に抜いたかぶをみんなで食べて(ふりをして)、おはなしは終わりました。
やりきった子どもたちは満足そうな笑顔。
自分たちの発表を撮影した、映像をすぐにみんなで見ました。
自分が写ると恥ずかしそうにする姿があり、友だちのコミカルな演技に笑いが起きます。
こうやってクラスがひとつになっていく。
そんな瞬間に居合わせた気がします。