福祉学習
3学期の社会では公民の分野を学習します。
初めに「くらしと政治」という単元で福祉、税金、国会などについて学習します。
今回は福祉学習に時間を割こうと考え、視覚障害について取り扱うことにしました。
初めに福祉とは何か、視覚障害者の理解、次に支援や補助の方法、そして点字の学習をしました。
その学習をしていると校長先生が視覚障害者のBさんというご婦人のことを紹介してくれました。
もしかしたらその方が学校で話をしてくれるかも…という話。
さっそく連絡をとってみると、快く来てくださるということになりました。
今まで視覚障害者の方に学校に来てもらったことはなかったで、正直、大丈夫かと心配になりましたが、牧師先生をはじめ、牧師先生の奥様、校長先生などに支えてもらい先週の木曜日にBさんが子どもたちの前でお話していただく運びとなりました。
視覚障害者の方から直接お話を伺う機会はなかなかありません。
急な話でしたが、せっかくの機会なので何でも聞いてみようということになり、相手の立場にしっかり立って、失礼のないように質問を考えました。
6年生一人ひとりが学習した経験を思い出しながら質問を考えてくれました。
講演という形ではなく、子どもたちの質問に答えるという形でお話を伺うスタイルになりましたので、質問はこの会にとって大切な要素になりました。
当時はあいにくの天気でしたが、少し早目にBさんは学校へ来てくださいました。
Bさんは優しく、そして何よりも明るい方でした。
今月で81歳。若々しく元気です。とても前向きです。お子さんが2人いて、6年生のお孫さんもいるようです。
だから余計に今回の訪問を楽しみにしてくださっていました。
初めに賛美をしました。
Bさんは点字の賛美歌をもって一緒に歌いました。
点字をなぞる指を一生懸命見ている子どもたちの姿もみられました。
祈ったあとさっそく質問タイム。
事前に「失礼な質問になったらお許し下さい」と伝えると「もう大丈夫よ。失礼だなんてもう気にしないから」と明るく答えてくださいました。
でもきっとこう思えるまで私たちがしらない苦労がお有りだったのだろうと感じました。
子どもたちはどんどん質問しました。
「はじめて訪れる場所は怖くはないのか」「お金を支払いは」「点字ブロックのこと」「戦争の時はどうしたのか」「障害を持って小さい時に思ったことといま障害を持って思うこと」などなど幅広い質問でしたが、ていねいに経験談を交えながら答えていただきました。
一つ一つの答えに学びがあり、Bさんの言葉に重みがありました。
「お買い物のお釣りはいちいち確かめない。相手を信じるしかない」という答え。
自分がまず相手を信じるって大切なことです。
何でも見えていると思っている私たちはどうなんだろう・・・。何か大切なことがそこにあるような気がしました。
Bさんが答える中で、また子どもたちにむけたメッセージの中で繰り返しお話になったことがありました。
それは「しっかり勉強して欲しい」ということでした。ご自身は視覚障害を持っていたため、小学校から声がかからず行くことができなかったそうです。
基礎基本をなかなか学習できなかったから、ちゃんと勉強して立派な人になって欲しいという願いがあるようです。
そこにはしっかり勉強して平和な世界を作って欲しいという願いが込められていましたね。
また、「編み物」の質問がありました。
実はBさんも趣味が編み物。
その日に着ていたフード付きのカーディガンとなかに着ていたセーターはコンビになっていました。
それらもBさんが編んだもので、それを聞いた子どもたち、先生たちはみんな驚いていました。
驚くのは当然です。細い毛糸で格子状の模様になるように編んであり、売っているもののように見えたからです。
お話が終わったあとみんなで触らせてもらいました。
このセーター。2年かけて作ったそうです。すごいです。
見えていて見えていない自分。
コツコツと続けていくことが難しい自分。
なんだかいろいろ学ばせていただきました。
Bさんというクリスチャンであり視覚障害者であり、戦争を体験している方を通して、生の学習をさせていただきました。
タクシーに乗るまで見送ってくれた6年生がいましたね。
Bさんとの出会いを通して豊かな経験と学びができました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいですね。
6年生がこの学習に真剣に向かってくれたことも嬉しいです。
きっとこれからの糧になります。
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