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れんらく帳

2022年6月29日

沖縄修学旅行 2日目

朝の礼拝

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ガマ見学

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修学旅行2日目。

沖縄那覇市内の日の出は午前5時40分でした。茅ヶ崎の日の出が4時30分なのでほぼ70分の時間差がありました。それだけ西に大きく移動したということを実感しました。

暑い1日を予感させる湿度の中でしたが、子どもたちは全員元気に朝の礼拝から参加することができました。朝食を済ませ、今日は南部地域の山城本部ガマへと見学に向かいました。バスガイドの中元さんは、アメリカ軍の沖縄上陸に伴い北部戦線と南部戦線で戦況や被害の状況に大きく違いが出たということをとてもわかりやすくお話ししてくださいました。また、昨日の見学地ひめゆりの塔とも結びつけてその統括をしていた山城本部ガマの役割とここまで辿り着くことができた人はかなり少なく民間人を含む非常に多くの人々が命を落とすことになった経緯もお話ししてくださいました。

山城本部ガマはさとうきび畑が点在するのどかな田園風景の中にひっそりと存在していました。大きなガジュマルの木の前に設置された慰霊塔に向き合いながら当時の貴重なお話を伺いました。黙祷を捧げてからガマに入っていきました。

足場の悪いガマの中を下っていくと、かつて使われていたであろう陶器のかけらがあり当時がしのばれました。ガマの中で灯りを消すと入口からそれほど離れていないにも関わらず真っ暗になりお互いを認識することができなくなりました。その闇の中でロウソクの灯りを頼りに怪我をした人の手当や動けなくなった人の糞尿のお世話などが行われていたということでした。亡くなられる人も多くいて、そういった過酷な状況下で長い間ガマでの戦闘生活があったということを知りました。

ガマの見学を終え地上に戻るとついさっきまでの真っ暗な世界などなかったかのようでした。そして明るい陽の中で再び生活することが叶わぬまま命を落とされた方々を思い、共に祈りました。

次に糸満市にある平和祈念公園を訪れました。

広い資料館の見学も行いました。沖縄だけでなく南西諸島全体が日本の大東亜共栄圏をつくるのために利用されていった歴史的事実が展示されていました。また、戦争へ向けて同化政策により沖縄の文化がないがしろにされていったことや、激化していく戦争で沖縄とそこで生活を営む民間人が本土決戦を遅らせるための捨て駒にされたという事実を資料と共に突きつけられました。目を背けたくなるような悲惨な記録写真も多く展示されていました。

子どもたちは食い入るように資料館の展示を見てまわっていました。証言映像、証言集も数多く展示されていて、見学時間が足りないという声を何人もの人から聞きました。それだけ一生懸命に見学して受け止めようとしていました。

資料館見学を終えてから公園内に設置されている『平和の礎』へと向かいました。沖縄戦で亡くなられた方々の氏名が刻まれていました。国籍・軍人・民間人の区別なくすべての方々です。今年は神奈川県出身者の氏名が刻まれているエリアを案内していただきました。周囲を見渡すと刻銘碑はとても多くありました。約25万名分。本当に多くの方々の尊い命が先の戦争によって失われたという事実を目の当たりにしました。そして、慰霊と鎮魂のおもいを込めて祈りました。

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平和の礎の中心に当たる平和の広場(ここから平和の波が広かるようにということで波状に平和の礎が設置されていました。)

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平和祈念公園を後にし、おきなわワールドに訪れました。

昼食後、エイサーを見学しました。約400年前に念仏踊りが伝えられ、これが元になって琉球文化の中に根づき伝承されてきた「エイサー」。先祖を敬い大切にするという意味合いも強いそうです。太鼓の力強いリズムと三線の独特の旋律。リズムに合わせて思わず体が動き出します。とても暑い中でしたが、沖縄文化を満喫しました。

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嘉数(かかず)高台

次に向かったのは嘉数高台でした。場所は沖縄本島中部の宜野湾市にあり、1945年4月にアメリカ軍が上陸後にこの地で激戦が繰り広げられた場所です。高台上部には当時の日本軍のトーチカが残っていました。表側は砲弾が当たったからか幾箇所もえぐられたような跡が見られました。

高台から見下ろすと、すぐ近くに普天間基地の滑走路が見えました。住宅地も隣接していて沖縄のアメリカ軍基地の実情がわかる見学地でした。

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大浦湾 ジュゴンの里

続いて大浦湾へと向かいました。

ここはジュゴンが生息する最北端ということで学術的にも貴重な場所だそうです。また、多様な生き物が豊かな生態系を形作っていてそういった意味でも貴重な場所だということでした。

サンゴがたくさん打ち上げられた砂浜は色とりどりの貝も加わってとてもきれいでした。コロリと足元で転がった巻貝を手に取ると中には小さな小さなヤドカリが入っていました。かわいいヤドカリの姿を見ると子どもたちは夢中になってヤドカリ探し。豊かな生態系の一端を五感を通して実感することができました。

しかし、一方で現在アメリカ軍基地移設のために辺野古の海は埋め立てられ続けていました。この工事による辺野古の立ち入り禁止海域の監視・管理の仕事には大浦湾の海人(うみんちゅ・・・漁師)も多く携わっている現状があり、基地移設によって漁場環境が悪化していく可能性が高いということと、それでもこの仕事に携わらざるをえない状況が生まれているという、基地の移設が地元住民の生活に大きな影響を与え矛盾が生じていることを知り・考えさせられる機会となりました。

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大浦湾・ジュゴンの里の見学を終え、2日目の宿泊地へたどり着きました。ここで沖縄のことをたくさん教えてくださりお世話になったバスガイドさんと運転手さんに心からお礼をしてお別れしました。2日間に渡って文化・気候・歴史・生活習慣・言葉など多岐にわたるガイドを本当に熱心にしてくださったことに感謝します。ありがとうございました。

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夜のお散歩

ホテルに到着してから美味しい夕食に舌鼓を打ち、夜の礼拝でこの3年ぶりの沖縄修学旅行の意味と6年生が旅の中で受け取っているいろいろな意味について共に考え・祈る機会を与えられました。

その後、全員で夜の海岸散歩に出かけました。

約1時間遅れの夕暮れ時の海岸は・・・とても美しく、心に残るものでした!

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