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れんらく帳

2021年12月 7日

2年ぶりの修学旅行(1日目その1)

2020年、新型コロナウィルス感染拡大にともない緊急事態宣言が発令され、約20余年にわたって継続してきた沖縄修学旅行が中止となりました。そして感染拡大が収まらない中、修学旅行の旅行地代替案も実現不可能となり昨年度は非常に厳しい選択を余儀なくされました。

今年も難しい状況になるのではないか...と危惧していました。しかし幸いにも感染拡大に収束がみられ、修学旅行を行うことができました。本当に感謝です。

2021年度の修学旅行は様々な事態を想定した上で、出来るだけ実現可能な計画を練りました。旅行地は残念ながら沖縄は叶わなかったのですが、神奈川県内を中心に平和学習をすることになりました。

出発 (7).JPG辻堂駅に全員集合。見送りの人たちと共に祈り、いざ出発!

『厚木基地見学』

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神奈川県内に12か所ある基地施設のうちのひとつである厚木基地を周囲からですが見学しました。爆音とともに基地周辺上空を低空で何度も旋回し、飛行訓練をしている様子を実際に見ることができました。

巨大な機体が滑空する真下には広大な基地の敷地が広がり、また広い公園を家族連れや犬と散歩する人々が行き交う日常の様子がありました。

子どもたちの眼にはどのように映ったのでしょうか。

『第五福竜丸展示館見学』

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東京都江東区夢の島にある『第五福竜丸展示館』見学をしました。昨年度、訪れることができませんでしたが今回実現しました。

展示館へ到着するとさっそく館員の方が分かりやすく子どもたちにお話をしてくださいました。(以下要約)

・1954年、静岡県焼津港を母港とするカツオ漁船がマーシャル諸島ビキニ環礁にて操業していた

・アメリカがこの海域にて広島型原爆の1000倍の威力のある水爆実験を行った(当時世界各国が核兵器開発に伴い核実験を相当数行っていた)

・水爆実験後のサンゴ礁には幅2km・深さ60mにわたるクレーターができ、放射能を含んだサンゴの粉(死の灰)が広範囲に渡って降り注いだ

・操業船には事前通告がなされなかったため、第五福竜丸乗組員が死の灰を浴び被ばくした

・日本へ帰港後、様々な不当な扱いや差別を受け、命を落とされる乗組員が出た

・第五福竜丸について世間の関心が高まる中で、原水爆禁止の世論が全国に広がった

・以上のような経過の中、当時の日本政府はアメリカ政府が「法律上の責任ではなく(損害賠償ではなく)人道的考慮と厚意による見舞金」を支払うことですべて解決したとみなすと了解した

・その後も乗組員の多くが被ばくと肝臓障害等で苦しみ続けてきた

・日本人だけでなくマーシャル諸島で生活をしている方々も生活や文化そのものが失われてきた

・・・子どもたちは、このような事柄を知る機会を得られたということが大きな第一歩でした。

実際に自分自身の眼で見、感じとる。資料の映像や展示物・解説を食い入るように見ていた6年生の子どもたちでした。

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