ホーム > れんらく帳 > 平和をともに(2日目)

れんらく帳

2024年9月21日

平和をともに(2日目)

【平和をともに】の2日目は《 国境なき医師団 》の広報部から講師に来ていただきました。

IMG_9623.JPG

(1日目に引き続き出迎え・案内をする5年生)

講演テーマは『国境なき医師団の仕事~平和をともに~』でした。

講演はじめに自己紹介とともに平和学園小学校での『平和をともに』という行事について「とても素敵です!」とおっしゃってくださいました。

子どもたちが一生懸命に取り組んでいる様子をしっかりと感じ取ってくださって本当に感謝でした。

IMG_9645.JPGIMG_9646.JPG

そして1年生から6年生そして職員・保護者にいたるまで聞いている人たちに分かりやすくお話をしてくださいました。

講演の始まりは『毎日の生きていくために必要なもの 大切なもの』は何でしょうか?という問いかけでした。

子どもたちは思い思いに意見を出していて、それらをやわらかく受け止め活かしつつ話を進めてくださいました。

お友だち・食べ物・家族・学校・家・水・電気・スマホ・ゲーム・車・病院・夢・・・

子どもたちのイメージしやすい身近な物事があげられ、

『もし 必要なもの 大切なものが すべてなくなってしまったら』

と、話は続きました。

そして、すべてを失ってしまっている人やとても苦しい思いをしている人が世界中にどれくらいいるか教えてくださいました。答えは1億2000万人。

『国境なき医師団』はこの世界中で重い病気にかかっていても病院も薬もない人々に対して、

【必要な人に医療を無償で届ける】

【活動地で見たことを世界に知らせる】

ことを目的として、1972年にフランスにおいてお医者さんとジャーナリストが作った団体だということでした。

苦しまれている方々を取り巻くその原因についても話してくださいました。

『戦争をしている』

『食べものがない』

『災害がおきた』

『病院がない』

『感染症がおきた』

『避難生活をしている』等様々な背景があり、世界の約70か国・地域で活動しているということでした。

IMG_9647.JPG

IMG_9665.JPG

そして組織の中でどのような人たちが働き、活動しているかについて教えてくださいました。

①医師・看護師

病気やけがの手当てをする

②助産師

赤ちゃんが生まれるのを助ける

③薬剤師

薬の管理をする

④アドミニストレーター

人やお金を管理する

⑤ロジスティシャン

きれいな水を管理する

車の整備をする

(不衛生な水しかない国や地域に行くことが多く、また車でしか行けない場所が多くこのロジスティシャンの働きが不可欠なのだそうです。)

世界中で約5万2000人の海外派遣スタッフが活動していることや、

日本オフィスでは

①海外派遣のスタッフの採用

②資金調達

③広報

の活動をしており、今日のお話も広報の大事な仕事ですとおっしゃっていました。

IMG_9668.JPG

また、『国境なき医師団の強み』が

*緊急時にすぐに助けに行ける

*医療以外の専門家がいるからいろんなことを自分たちでできる

*寄付で支えられているから自由に活動ができる

ことであると教えてくださいました。

さらに、『国境なき医師団が大切にしていること』が

①独立

どんな国、えらい人、お金持ちの言いなりにならずに自分たちの考えで活動する

②中立

争いのどちらの味方にもならず、両方の患者さんを治療する

③公平

人種や宗教や政治の考えに関わらず、無償で治療する

3点にあることを教えてくださいました。

IMG_9680.JPG

IMG_9685.JPG

人道援助についての話もありました。

【人道援助】

緊急事態またはその直後における、人命救助、苦痛の軽減、人間の尊厳の維持及び保護のための支援

つまり、

人が人らしく生きるために必要なこと・・・

食べものときれいな水、安全で健康に暮らせる場所

がない状況におかれた人々が、

少しでも人間らしい生活ができるように助けること

だということを話してくださいました。

IMG_9686.JPGIMG_9688.JPG

最後に、『皆さんができること』として人道支援活動に

①参加すること

②応援すること

③知ること

④知ったことを話すこと(伝えること)

と、段階的に子ども自身でも実行可能な方法も含めてわかりやすく教えてくださいました。

支援を必要としている現地で医療活動に従事されている方が

「『they』ではなく『we』を使うようにしています」

とおっしゃっていたその言葉の意味が心に響きました。つまり、被支援者と常に共にいる私たちという意識をもって活動されているという意味です。

世界中で大変な思いをしている誰かのために実際に懸命に活動されている方々がいるという現実を実感する貴重な時間をともに過ごすことができました。また、平和をつくり出している方々について学ぶ機会をいただき心から感謝をしました。本当にありがとうございました。