『平和をともに』の一日目。
受付・案内・司会進行等を担っている5年生の「はじめのことば」から始まりました。
【はじめのことば】
【司会進行】
礼拝では、5年生による礼拝のお話がありました。
選ばれた聖句は
『平和を実現する人々は幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる。 マタイによる福音書5章9節』
でした。
そしてタイトルは『賀川先生から学んだこと』でした。
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以下5年生代表の礼拝でのお話を記します。
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『みなさんは「賀川豊彦」という人を知っていますか?
毎年5年生は、この平和学園小学校の創設者である、
賀川豊彦先生のことを勉強します。
クラスで賀川先生がどのような生涯を歩んだかがかかれた「死線を越えて」という本を読んだので、今日は5年生がこの本を読んで知ったこと、感じたこと、伝えたいと思ったことをまとめて、話します。
賀川先生は、4歳の時にお父さんとお母さんをなくし、寂しさをかかえながらも、いろいろな人に助けてもらいながら生きてきました。16歳のときに神様に出会った賀川先生は、40日間道に立って神様の愛を伝えて続ける活動をし、患っていた肺結核が悪化して死にかけたときもありました。けれども独り身の賀川先生のことをに支えてくれる人たちがいたからこそ、なんとか九死に一生を得たのです。賀川先生は与えられた命を、寂しい人、貧しい人、社会的に弱い立場の人のためにつくしていくことを決心しました。こうして、賀川先生は神戸の「スラム」と呼ばれる貧しい人たちが集まる地域に移り住みました。スラムでは、子どもも大人も生きるために必死でした。子どもが働いてお金をかせぐのはもちろん、盗みや暴力、脅しもありました。中でも賀川先生が心を痛めたのは、「もらいご殺し」でした。貧しくて 育てることのできない赤ちゃんを引き取ると、お金をもらうことができましたが、そのお金もすぐになくなってしまって、結局赤ちゃんを死なせてしまうのです。 賀川先生は、子どもも大人も、どんな人も、みんなが生きていけるように、
アメリカに留学して知識を深めました。そして、「救貧」、貧しさを救うのではなく、「防貧」、貧しくならないようにする仕組みづくりが大切だと気づき、貧しい人も働ける工場や無料の診療所をつくったりしました。また、関東大震災が起きたときは、神戸からすぐに視察に行って、被災した人たちに何が必要なのかをすぐに把握し、救援支援を行いました。賀川先生はいつでも、目の前にいる人に向き合って行動していました。
賀川先生は「死線を越えて」の出版でたくさんのお金を手にしましたが、そのほとんどを貧しい人のために使いました。目に見えるお金や財産だけではなく、「心」も困っている人々のために捧げたのです。先生は愛にあふれたとても優しい人だということがわかりました。
賀川先生は平和に対する想いもとても強い人でした。
賀川先生が中学生のとき、日本はロシアと戦争をしていました。そのため学校では戦争のための訓練の授業がありました。でも賀川先生は「殺し合いの訓練はぜったいにいやです」と、反抗し、先生に殴られても「人が人を殺す戦争じゃあってはならない」と一貫して平和を求めていました。賀川先生が働くひとのために労働組合を立ち上げると、国と戦うときにも、ストライキやデモ行進など、なるべく暴力ではない運動を進めようとしました。第二次世界大戦が激しくなってくると、賀川先生はいっそう平和のための講演を数多く行いました。その活動に対して戦争を反対する非国民だ、として捕まることもありました。戦争が終わってもなお、賀川先生は日本の平和のために、そして世界の平和のために働き続けました。特に子どもたちが未来の日本を担うからこそ、子どもの教育の復興に力を尽くしました。
その中で生まれたのが、この平和学園です。
私たちは愛にあふれた賀川先生がつくった学校に通えて嬉しいです。
同時に、賀川先生が平和を求め行動する子どもを育てようと作った学校で、わたしたちには平和のために何ができるのかを考え、行動しなければいけないと思います。
私たちには何ができるでしょうか。
賀川先生のように、自分の人生を通して神様の素晴らしさを伝えていくこと。
どんな人にも向き合い、理解すること。
対立する人にも、平和を願って祈ること。
平和をもとめ、間違っていることは間違っている、と発言していくこと。
誰よりも人の命を大切にしていくこと。
困難の中にあっても諦めず行動していくこと。
人を勇気づけられるような行動をすること。
全部はできなくても、一人ひとりの良いところを神様のために、そして周りの人のために、おしみなく使って、少しずつ小さな平和がつくられて、そして大きな平和に繋げていくことが大切なのではないでしょうか。
今日から2日間の「平和をともに」は、改めてみんなで「平和とは何か」について考える会です。それぞれの学年で考えてもらったことを共有して、平和学園小学校の子どもとして考える「平和」を深めていきたいと思います。』