修学旅行最終日は朝から今にも雨が降りそうな曇天でした。
朝食時には稲光も見えて思わず肩をすくめる人もいました。やがて強い雨が降り始めました。海沿いのホテルを出発する頃には南国特有のスコール。移動中のバスのフロントガラスは大粒の雨でいっぱいになりました。6年生はこの季節の沖縄の全部の天候を体験することができてよかったです。
4日目は最後の見学地『対馬丸記念館』を訪れました。
1944年、サイパン島の日本軍が全滅し、いよいよ沖縄が戦場となる危険が大きいと判断した政府は、沖縄からお年寄り・子ども・女性を県外へ船で疎開させるよう指示を出しました。戦況が悪化していく中で沖縄が戦場と化す前に九州へ学童疎開をする子どもたちを乗せていたのが対馬丸でした。古い大きな貨物船で1661名を乗せて長崎へ向けて出港しました。
しかし当時、日本軍の暗号はアメリカ軍によって解読され周辺の海域は潜水艦に狙われる状況の中、対馬丸は全5隻の船団中で最も航行速度が遅く、より狙われやすい船でもあったそうです。
このような要因により多くの子どもを乗せた対馬丸は夜に潜水艦からの攻撃を受けてわずか10分余りで沈没したということでした。
危険な状況下で無理な輸送を決めた政府、不安ながらも子どもの命を思い優先して疎開させようとした親たち、船底から逃げ出すこともできずあっという間に暗い海に沈んだ方々、運よく生き残ることのできた方々。
戦争によって引き起こされた悲劇をまた一つ心に刻む見学の機会となりました。
子どもたちは短い時間ではありましたが、真剣に話を聞き、展示に目を向け、質問をしては理解に努めようとしていました。
対馬丸記念館見学を終えた後は那覇市内の沖縄料理店にて『タコライス』をいただきました。お腹もいっぱいになり、大満足。
国際通りからのびるアーケード街には沖縄を感じる様々なお店が多く軒を連ねていました。子どもたちはお店を見てまわり、限られた時間の中でしたがお買い物を楽しんでいたようです。でも「全然時間が足りないよ~!」と、もっといろいろまわりたい人もいました。
お買い物の後、ゆいレールに乗って那覇空港へ向かいました。モノレールが初めての人もいましたね。少し早く到着したので空港内のお店も見学(お買い物)してまわり、最後の沖縄を満喫しました。
いよいよ最後のフライト。
席は動画を鑑賞できるモニター付きで子どもたちは大喜びでした。お好みの動画や飛行機備え付けの機外映像など、それぞれ楽しんでいました。
機内のおやつは・・・
ゼブラパン。沖縄限定。
すごいボリュームでみんなずっとモグモグしていましたね。
楽しい時間は・・・あっという間に羽田国際空港に到着し、藤沢駅まではエアポートバスで移動しました。
「あーあ、終わっちゃうなー。」
「もっと長かったらいいのに。」
「楽しかったな、うん。」
そんなつぶやきが所々で聞こえてくる沖縄からの帰り路でした。
解散場所ではご家族が待っていてくださいました。
久しぶりの再会に喜ぶ様子が伝わってきました。
ご家族と共に、
3年ぶりの修学旅行を無事に実施することが出来たこと、
沖縄の地で平和について様々に学ぶ機会を与えられたこと、
そして友と共に代えがたい喜びを共有できたことへの感謝と祈りを捧げ、解散しました。
それぞれ、様々なことを受けとめ、心に刻んできた修学旅行となったことでしょう。
9月には『平和をともに』で6年生が沖縄修学旅行報告をします。
彼らがどのような事を見つめ、受けとめ、考えたのか。
そして、彼らが何を伝えようとするのか。
本当に楽しみです。
ご家庭でのお支えと祈りをありがとうございました。感謝します。また、事前の計画から実施中の同行をしてくださった添乗員の方、本当にありがとうございました。