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れんらく帳

2021年12月 8日

2年ぶりの修学旅行(2日目 その1)

修学旅行2日目。

元気いっぱいに朝の集合を終え、バイキング方式のホテル朝ごはんに目を輝かせ、笑顔いっぱいの朝の時間となりました。

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そしてホテルのフロントの方へお礼の挨拶をしてから『神奈川県立歴史博物館』見学へ向かいました。この博物館は神奈川県の歴史にちなんだ資料を中心に展示・解説してあり、4階にわたるフロアを巡る中で時代の経過と主な出来事や文化の流れについて理解を深めることができるようになっています。子どもたちはワークシートを手にしながら神奈川県で起きた様々な出来事についてそれぞれの眼で確かめていました。

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続いて車で移動し『英連邦戦死者墓地』見学をしました。

ここは、イギリスに与する国々(オーストラリア・インド・パキスタン・ニュージーランド等)から戦線に向かい捕虜となった兵士、また日本へと送致・連行され労働を強いられる中、空襲等で命を落とされた捕虜の方々が埋葬されている墓地でした。短く刈り揃えられた広い芝生の中に多くの墓標が静かに佇んでいました。

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日本軍の戦争捕虜として日本全国各地で捕虜生活を送っている中で亡くなられた方々。

日本へ船で移送させられている最中に船が攻撃を受けて亡くなられた方々。

終戦となった1945年8月15日に、捕虜に対するそれまでの不当な扱いが明るみに出ることを恐れた日本人将校によって殺された方など様々な事由により命を落とされた方々が埋葬されているということが分かりました。

冷たい雨が降る中、短く刈り揃えられた芝生の上に濡れた落葉が重なり合い、より一層色どりを豊かにしていました。

子どもたちは赤や黄色の落葉を踏みしめつつ、真剣に墓標の記号や表記を読みとり、遠い母国を想って命を落とされた方々のことを想像し思いを馳せていました。

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続いて次の見学地登戸へ向かいました。

『明治大学平和教育登戸研究所資料館』を見学させていただきました。ここは戦前の日本の戦争・軍隊を知る上で貴重な戦争遺跡のひとつだそうです。

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それは、戦争に必ず付随する「秘密戦」(防諜・諜報・謀略・宣伝)という側面を担っていた研究所であり、そのため、その活動は、戦争の隠された裏面を示しているということです。

登戸研究所の研究内容やそこで開発された兵器・資材などは、人道上、あるいは国際法規上、大きな問題を有するものも含まれているけれども、こうした戦争の暗部を直視し、戦争の本質や日本軍がおこなってきた諸活動の一端を、冷静に後世に語り継いでいく必要があるということから資料館は設立されました。

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おもな展示内容は「風船爆弾とウィルス兵器研究・開発」「スパイ兵器開発」「偽札作りと相手国の経済効果の研究」等・・・でした。

中には関連研究機関での明らかな国際法規違反の人体実験を行ってきたことについても報告がされていました。

難しい内容も含まれていましたが、子どもたちは戦争という目的のためには場合によっては尋常な理性と人間性を喪失してしまいかねない危険性をひしひしと感じとっていたようです。

2日目の学びは

「対戦相手国側の戦争被害の視点」と

「戦争を牽引する側の加害の視点」

という異なった角度での平和へのアプローチでしたが、6年生の子どもたちは真剣に受けとめ、考えていました。

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ホテルに到着したのは夕刻でした。身支度を整えて子どもたちがとても楽しみにしていたホテルでのプールタイムを満喫しました。

夕食はビュッフェスタイルの豪華な食事に一同大満足。

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共に精一杯学び、考え、そして楽しんだ一日となりました。