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平和学園からのお知らせ

2013年5月30日

アレセイアの輝き 第121号

 
 『 虹 の 契 約 』  平和学園宗教主任 横山厚志 
 

「すなわち、わたしは雲の中にわたしの虹を置く。これはわたしと大地の間に
立てた契約のしるしとなる。」         (創世記9章13節)
 

旧約聖書の創世記6章から9章は、ノアの洪水の物語が書かれてあります。物語の背景は、地上における人間の罪に対して、神が怒り、洪水を起すと言う内容です。私は時々、礼拝の時や聖書の時間にこのノアの洪水の物語を話していました。
しかし、2年前に東日本大震災が起ってからはなかなか触れることができませんでした。被災地に立って、被害の大きさに圧倒され、人間の罪に対する神の罰だなどと言うことができませんでした。この物語に触れることを避けていたのです。
あの日から2年以上が過ぎました。また5月の連休に石巻に行って来ました。がれきは少しづつですが、かたづいているように見えます。しかし、更地になっただけで、ある場所には新しい家が建てられ、実際に住んでいる人もいます。その近くにはあの日のままで壊れた家が建っている状況もありました。
石巻から神奈川に帰って来る時に、改めてノアの洪水の物語を読みました。そこには神様の苦しみと言いますか、神様の激しい心の痛みを受け止めました。
創世記6章6節には「地上に人を造ったことを後悔し、心を痛めされた。」となっています。地上には人間の悪が増して、常に悪いことばかり人間は思い計っています。神様の悲しみ、後悔が深まっていきます。その悲しみは洪水によって、人間を滅ぼすと言うことになっていくのですが、人間だけでなく、動物達や鳥達も滅ぼそうとします。神の激しい怒り、悲しみがそうさせるのです。
しかし、神はその激しい怒りの中でも、ノアとその家族一対の動物達を助けようとします。それが箱舟の建造になります。洪水が終って、ノアが再び地上に戻ります。ノアが最初にしたことは、神様を礼拝することでした。ノアの礼拝を受けた神様は、次のように思いました。
創世記8章21節「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。人が心に思うことは、幼いときから悪いのだ。」と言って、二度と洪水を起さないと誓うのです。その誓いはそれだけでは終りませんでした。創世記9章の前半には、神様が洪水後に再び、自分が二度と洪水によって人間を滅ぼすことはしないと誓います。その誓いは虹となって現れるのです。これが「虹の契約」と言うものです。
神様の心の痛みを知ることができるでしょうか。神様の心の痛み、激しい心の葛藤をみるのです。これほどに神様は人間のために苦しんでおられるのです。神様の深い人間に対する愛を受け止めたいと思います。

 

平和学園学園幼稚園 「年長組は大忙し」
新学期が始まり1ケ月が経ちました。幼稚園で一番大きな年長組の子どもたちは大忙しです。年少組の子どもたちのお手伝いで1日が始まり、そして自分たちの活動も行います。年少組の子どもたちにとってこの大忙しの経験はとても大きな宝物となります。自分たちより小さな子どもたちの存在に気づき、見守る力強さを徐々に見いだしていきます。この経験(年少組と年長組の関わり)が子どもたちを大きな成長へと導いているのです。
ある日のひとコマです。身仕度のお手伝いが終った後、年長組の子どもたちは自分の部屋に帰ります。その年長の姿をみた年少組の子どもたちは、お兄さん、お姉さんの姿が見えなくなるまで「バイバーイ」と手を振りました。年長組の子どもたちは、とってもうれしかったのでしょう。「バイバーイ」と手を振り返し、年長も年少組の子どもたちをみていました。このような関わりが子どもたちの心を満たし豊かな育ちにつながるのでしょう。

 

平和学園小学校 「4年生社会見学」
5月2日くらしを支える水の学習をしている4年生が向かった先は、寒川浄水場と水道記念館。天候にも恵まれ、よい学習をすることが出来ました。寒川浄水場では、相模川の水がどのようにきれいになり、私達の家までどうやって運ばれてくるのかを、詳しく教えていただきました。子ども達は真剣に話を聞き、初めて目にする様々な装置に興味津々の様子。しっかりと学習しました。見学の最後に、出来たてホヤホヤのお水をたっぷりといただきました。昼食後、水道記念館に移動しました。館内での活動は体験型の学習なので、子ども達は大喜び。遊び感覚で、水についてしっかり学ぶことが出来ました。


アレセイア湘南中学校 「1・2年修養会」
4月17日(水)から19日(金)の二泊三日、富士山YMCAグローバル・エコヴィレッジにおいて、雄大な富士山を目の前にみながら、「イエス様ってどんな人」という主題で修養会が行われました。 
主題講演では、飯塚先生がイエス様の人物像や弟子たちの姿を、わかりやすく紹介してくださいました。また、2年生は、日ごろの礼拝や聖書の授業から学んだことを早天礼拝で発表しました。縦割り班では2年生と1年生が協力して、講演や礼拝での話しで感じたことを分かち合い、最終日の全大会で報告しました。
 最後に、5月10日(金)の生徒礼拝で、中高生全体に修養会の報告を行いました。

 

アレセイア湘南高等学校 「賛美歌コンクールに向けて」
今年度も高1修養会がもたれ、イエス・キリストと本校の創立者である賀川豊彦に通ずる精神を学び、アレセイアの根底に流れる精神を考える良い機会となりました。
修養会を終え、5月の終わりに控えた賛美歌コンクールに向け、3学年とも練習に励む時期となってまいりました。特に3年生は最後の賛美歌コンクールということもあり、気合充分に今までの経験を活かして全力投球です。さて、真剣になればなるほど良くも悪くも気持ちが高ぶるものです。そんな時、思い出して欲しいのが、歌声はとてもよく心の中を映し出すものだということです。「イライラしている歌声」は薄っぺらい歌声に、「喜んでいる歌声」は心地良い歌声になります。賛美歌が誰かの心に響くかどうかは、どんな心で歌うかではないでしょうか。
聖書にはこんな言葉があります。『愛がなければ、わたしは騒がしいどら、やかましいシンバル』。賛美歌コンクールを通して「愛すること」を学んでもらいたいと願い、祈っています。

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