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平和学園からのお知らせ

2013年3月21日

学園広報 56号より 巻頭言

変化、前進、そして夢へ -学園創立70周年を前に- 理事長 山口洋一郎


 本学園理事長職を夏村充前理事長から引き継ぎ、はや6年目となりました。毎週火曜日の朝、学園の全教職員が集まって行われる礼拝に出席することによって学園の事が少しずつ分かってきたと同時に、責任の重さも日増しに感じるようになってまいりました。


 6年間に学園は大きく変わってまいりました。何か変わったかと申しますと、生徒たちの立ち居振舞いが格段ときちんとしてきたことです。学園の近隣の方々、市内の友人等に聞きますと「変わりましたね」と大半の皆さんが誉めてくださいます。


 さて、どうやって変わっていったのでしょうか。それは、学園長と園長・校長のリーダーシップの下、教職員が良きチームとして日々誠実な教育実践を積み重ねてこられた事は言うまでもありません。


 特に中高生の立ち居振舞いの変化に関しては、中学高等学校におけるアレセイアクオリティの実現を目指した事が大きいと考えられます。これは、本学園が伝統的に「面倒見の良い学校」と評価されていた事に対して、何を面倒みの良さにするのかを改めて見直し、検討を重ねた上で実行したことです。生活、学習両面にポイントを置いたアレセイアクオリティを中心にした上で導入した進学指導のためのGUシステムによる学力向上の強化、これも落ち着いた学校生活を過ごすことができる要因の一つと言えるでしょう。


 学園が変わったもう一つの側面は、幼稚園から高等学校までの一貫教育校としての魅力を深化させてきたことです。例えば、中高の平和祭に幼稚園と小学校のブースを設ける、幼稚園と小学校のバザーの同日開催に高校生がお手伝いする、小学生と中学生のドッチボール大会や昼食会、幼稚園と小学校合同の学童保育、行事ごとのご招待やおすそ分けなど、細かく挙げれば限りが無いほど日常的な教育活動での交流が活発です。これらは、2011年度の運営の柱として学園長が打ち出した幼稚園と小学校、中学校と高校の各々の一体化を実現させたものの一部と言えます。学園全体で教育の目的は子どもの自立(律)であると捉え、一人ひとりの子どもに適した教育を志向し取り組んでいることが徐々に成果を上げています。


 また、同窓生による組織である平和学園・アレセイア湘南校友会は、クリスマスチャリティパイプオルガンコンサートやジャズコンサートを主催し、地域社会からの支持が定着しつつあります。更に、今年度から始めた「進路を考える会」にも協力し、小学校5・6年生から高校生までが一緒に参加するという画期的なプログラムも実現しました。


 一方、東日本大震災復興支援に対する様々な取り組み、また、中学高等学校の部活動の活躍など、学園外での活動や交流も広がっています。


 さて、今後の夢として二つのプロジェクトを挙げることができます。


 一つ目として2011年4月開始の国際英語塾を発展させ、世界で仕事が出来る国際人を育てるという試みが2013年度からスタートします。2012年11月には国際大学連合(IFU)とのファウンデーションコース導入の調印式もなされ、一層の広がりをもたらしています。創立者の賀川豊彦先生は、戦前から日本のグローバル化を見通し、世界中かを駆けめぐっていらした方ですから、その意思を引き継ぐという意味でも建学の精神に適ったプロジェクトといえます。


 二つ目はより良い教育環境の整備です。具体的には、南キャンパスへの中高図書館設置、50年来使用の幼稚園舎、小学校舎の建て替え等です。4年後、創立70周年を迎える頃には実現への道をつけられたらと願っています。


 いずれにせよ、学園を取り巻く厳しい社会情勢の中、平和学園が私立学校として地域に愛され、卒業生が誇りを持てる学園であることを目指しています。建学の精神にある「平和をつくりだす人」を世に送り出すために、平和学園に関わるすべての人が一つのチームとなってより良い学園を作り出していくことに邁進していきたいものです。

 

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