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平和学園からのお知らせ

2015年5月25日

アレセイアの輝き 135号

「第3回東北平和の旅に向けて」 平和学園宗教主任 横山厚志    

「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい。」 ローマ12章15節

 

 東日本大震災直後に、被災地である石巻に行った時の記憶は私の脳裏に深く残っています。どこまでも続く車の行列、ガソリンを手に入れるために、長い時間待つしかなかったのです。石巻に着いた時、独特の強烈な臭いが襲いました。泥と水に溢れた町、道路の両側には流された車が折り重なるように置かれていました。沿岸部では自衛隊のヘリが飛んでいて行方不明者の捜索が続いていました。遺体安置所になった体育館にはまだ見つかっていない家族を必死に探していました。ひまわり保育園では汚れた園舎を職員の方々が一生懸命に掃除をしていました。ふいてもふいてもきれいにはならない程でした。被災地を訪れ被災した方々の悲しみ苦しみを知りました。

 時は流れ、被災地は少しずつ復興が進んでいるのでしょうか。今年の1月と3月に福島県いわき市を訪れました。3月には福島第一原発の近くまで行きました。震災当時のままで4年経過しても何も変っていません。津波で流された車がそのまま置かれていました。無人の町々があり、深い沈黙がありました。作業員の方々が除染作業を行っていました。周りには除染で集められた黒い袋がたくさん置かれていました。ある場所でたくさんの車がありました。また宿舎と思われるたくさんの建物がありました。話を聞くと福島第一原発の廃炉作業にあたっている作業員のものだと分かりました。現在でも1日に7千人の方々が働いているそうです。これから40年以上、廃炉作業が続くと言われています。今後無事に作業が進んで欲しいと心から祈りました。

 今年の8月に第3回東北平和の旅を企画しています。その下見に5月の連休に宮城県を訪れました。最初、初めて福島県に行こうと考えていましたが、現状では無理と判断しました。今回は久しぶりに女川を訪ねました。3月にJR女川線が開通したのです。石巻から女川までの交通がとても楽になりました。女川駅に降りました。周りを見回すと何もない景色が広がっていました。しかし、女川の復興が早いと石巻の知人から聞きました。町の復興計画が完成し、今後復興のスピードが早くなると言うことです。石巻では昨年、東北の旅で訪ねた石巻山城町教会の礼拝に出席することができました。午後には大川小学校に行きました。ここでは、遺族の方が案内して下さいました。大川小学校は児童70名近く、先生も10名が亡くなりました。地震から津波が来るまで約50分、校庭に留まっていたそうです。今でもなぜ、留まっていたかと遺族の方は自らを問い続けています。現場で、そして遺族の方からのお話はとても重い言葉でした。家族を失った悲しみが深いことを改めて思います。平和の旅では、大川小学校に行き、遺族の方から案内とお話を聞く企画を考えています。私は被災地と被災された方々とできるだけ、寄り添っていきたいと願ってきました。しかし、被災地に行き、被災された方々と話を聞くたびに、寄り添うことの難しさを感じます。どうすることもできない距離が存在します。聖書の言葉があります。「泣く人と共に泣きなさい。」とても短い言葉です。しかし、泣く人と一緒に泣けないことに気づきます。何度訪れても自分に何ができるのだろうといつも問うています。今年の夏休み(8/1~3)に被災地に、学園で行こうと計画しています。東北平和の旅も、今度で3回となります。あの日から4年が過ぎ、心静かにして、被災地を見ていきたい。被災者の声をしっかりと聞き尽くしたい。私たちにできることは本当に小さいことだと思います。でも、実際に行って見ることが寄り添い、一緒に歩むスタートだと考えています。

 

平和学園幼稚園  「こいのぼりづくり」

 年中組には“3つの活動”があります。

 クラスを3つに分け、両クラスあわせて20数名の少ない人数でクラスとはまた違った経験をします。今回は♪こいのぼり♪の歌に合わせての合奏、“こいのぼり”をモチーフにしたお話づくり、シュタイナーの技法を使って紙を染めるこいのぼりづくりです。

 障子紙をスポンジで湿らせてから絵の具をつけた筆をすいーっと滑らせると、色と色が出会って紙が染まります。教師の話を真剣に聞いて始めた子どもたちの顔も、ぱぁっと笑顔に染まりました。色とりどりに出来上がった、世界でひとつのこいのぼりが青い空で元気に泳ぎました。

 

平和学園小学校 「グレーニアホールの講壇」

 平和学園は創立69年を迎えました。創立記念礼拝が行われた4月24日の聖書の授業で5年生が学園内にある賀川村島記念資料室に見学に行きました。説明してくださるのは法人事務局の土屋先生。子どもたちが来ることを毎年楽しみにされています。事前に創立者については学習済み。まとめの意味を込めての見学です。資料室に行く前に「毎日礼拝で使っているグレーニアホールにある講壇。この講壇の写真が資料室に展示されているから探してみよう!」という課題を子どもたちに出しておきました。子どもたちは土屋先生から説明を聞いた後、それぞれで展示物を見て回りました。しばらくすると「これじゃない?先生!あった!」という声が聞こえました。そうです。写真の中で賀川先生が手を置いている講壇こそ、今、私たちが毎日礼拝で使っている講壇です。現在は講壇の下部に変更が加わり、タイヤが付けられていたり、修理の跡(修理した先生の名前が書かれています)があったりします。今日まで改良、改造がされてきましたが、この平和学園小学校をずっと見守ってきた講壇であることは間違いありません。毎日の礼拝や学校行事で使われているグレーニアホールの講壇。この大切な宝物の講壇をこれからも大事に使い、学園の歴史を見続けてほしいと願いました。

 

アレセイア湘南中学校  「讃美歌コンクールに向けて」

 新学期から1ヶ月たち、クラスの雰囲気ができあがってきました。1年生は宿泊研修を通してクラスの親睦を深めることができました。2、3年生は新入生歓迎スポーツ大会で昨年までの経験を生かして各クラス団結して取り組むことができました。次の行事は6月3日の讃美歌コンクールです。5月に入り、指揮者や伴奏者を中心に練習がはじまりました。休み時間には各クラスから歌声がきこえてきます。各クラス入賞を目標に取り組んでいるようです。今後、6月後半の修養会の準備も宗教委員を中心に進めていく予定です。

 

アレセイア湘南高等学校  「高校1年生の修養会」

5/7(木)~5/9(土)、YMCA東山荘で高校1年生の修養会が行われました。主題が「出会い」で、聖書にある神の愛との出会い、その問いかけに耳を傾けよう。共に聖書を学ぶことを通して、友や教師と語り合おう。このような内容でした。まず、映画「ジーザス」を見て、イエス・キリストの生涯を知ることができました。また、学園の創立者の1人である賀川豊彦先生の活動の記録の映画「死線を超えて」を見て、大阪のスラム(貧民街)での活動などを知ることができました。また3日間、天候に恵まれ、2日目の午後はウォークラリーをクラス対抗で楽しみました。自由時間ではそれぞれが有意義に過ごし、クラスメートとの交わりを深めることができました。実りある修養会を過すことができました。

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