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平和学園からのお知らせ

2014年10月 7日

アレセイアの輝き 130号

『善いサマリア人のたとえからー賀川豊彦の行動力―』  宗教主任 横山厚志  
「そこで、イエスは言われた。『行って、あなたも同じようにしなさい。』」(ルカ10:37)


 ある律法の専門家がイエス様を試そうとして質問をする、そのようにして善いサマリア人のたとえがイエス様から出てきます。律法の大切な教えの中に「隣人を自分のように愛しなさい」という内容があります。律法の専門家は「隣人」とは誰ですかと問いかける、そしてたとえをイエス様は語り始めるのです。
 ある人がエルサレムからエリコまで行こうとする。すると追いはぎに襲われて着ていた物や荷物をすべて奪われて、半殺しの目にあい、道端に倒れてしまう。突然のことで、ある人は倒れて何を思っていたのでしょうか。すると道の向こうから誰かがやってくる。倒れたある人にすれば助けてもらえると思ったはずです。やって来た人は祭司です。宗教的指導者であり、神殿に仕える者です。進んで助けてくれると希望をもっていたのでしょう。しかし、祭司は倒れている人を見つけたのですが、道の向こう側を通って行ってしまいました。同じように後から来たレビ人も祭司と同じように、道の向こう側を通って行ってしまいました。倒れていたある人にすれば、深い絶望感を味わったことでしょう。
 その次に来たのが、サマリア人でした。当時サマリア人はユダヤ人と交わりはせず、敵対していました。そのサマリア人が追いはぎに襲われたある人を助けたのです。聖書は助けた様子を細かく書いてあります。具体的にこのように助けたと強調しているのです。そのたとえ話をしながら、イエス様は律法の専門家に隣人とは何かと具体的に問われます。ある人を助けたサマリア人が隣人ということです。そして律法の専門家に「行って、あなたもおなじようにしなさい。」と勧めます。イエス様の話は具体的な行動が伴います。困った人がいればすぐに行動をするように求められているのです。
 私たちの学園の創立者の一人であられる賀川豊彦先生は行動の人でした。関東大震災が起った時、すぐに動かれたのです。「関東大震災は相模湾沖を震源としてM7.9、死者・行方不明者143000人というとてつもない被害を出しています。・・・当時神戸でセルツメント活動を担っていた賀川豊彦は、関東大震災の知らせを翌日9月2日に知るや、3日の神戸発の山城丸に乗船し、4日には横浜に上陸、徒歩で東京に入り、被災地をくまなく視察します。そして神戸にとって返し、関西から九州・四国にかけて約1ケ月の間に56回の被災地報告と救援募金を呼びかけて資金を集め、10月16日、救援物資を満載した長崎丸で神戸を出港、18日横浜到着。翌19日、東京で被害の大きかった本所区松倉三丁目にあった興望館の本館焼け跡に大天幕を建て、これを救援本部とします。そしてここから、賀川を中心とした被災者救援活動が始まるのです。」
(賀川豊彦研究 第58号 51~52ページ 「賀川豊彦と関東大震災」 戒能信生著 財団法人本所賀川豊彦記念館発行)
 何かが起った時に、すぐに神に祈る者でありたいと思います。また具体的に何ができるのかを検討しつつ、すぐに行動に移せる者でありたいと願います。学園に連なる者として共に考えていきたいと願います。9月1日には関東大震災が起りました。91年前のことです。9月11日は東日本大震災が起って3年半になりました。今年の8月後半には広島などで豪雨による土砂災害が起り、多くの人が亡くなりました。被災地を覚えて今できることを考えて行動していきたいと思います。

 

平和学園幼稚園
「お泊り保育」

 幼稚園では年長組になると、お泊り保育の行事があります。子どもたちはお泊り保育当日、緊張・不安・楽しみな気持ちや、お母さんがいないいつもと違う場所での生活など様々な葛藤がありました。夜寝るときのことが不安で、先生に「一緒に寝よう。」と言っていた子どもがいました。しかし寝るころには「今日は友だちと寝るね!」と笑顔で話してくれました。家族がいなくても大好きな友達がいる安心が心の中を大きく埋めてくれたようです。また、みんなでクッキング、ゲームをする楽しさの中、様々な葛藤を受け止め、自分と向き合い、自立への一歩を踏み出したことでしょう。そんな心の育ちを色々なところで見ることができました。

平和学園小学校
「平和祭に行こう!」

 2014年9月11日震災を覚える礼拝のあとに、二人の高校3年生が平和祭のアピールに来てくれました。平和祭実行委員長と広報委員長です。実行委員長は平和学園小学校の卒業生であり、平和幼稚園の卒園生です。この平和学園に15年いることになりますね。
 「私は平和小の卒業生です。」と小学校時代の思い出を笑顔で話し、「ぜひ来てね」とお誘いがありました。もう一人は小学生に手形作成の説明をするために来てくれた広報委員長が二度目の来校。
 「ホームページで、みんなが一生懸命手形を作ってくれたのを見て嬉しく思いました。今日から、みんなが作った手形を高校生が一つの作品にするので、ぜひ見に来てください。」と小学生の目線に立って話してくれました。平和祭を小学生とともに作り上げようという気持ちが伝わる挨拶でした。

 

アレセイア湘南中学高等学校
「DASH がんばれ俺たち!」

 今年のタイトルどおり、準備から13日(土)の後夜祭まで、一気に平和祭が行われました。
 終日準備の日の11日(木)は、8時40分の礼拝直前まで雨が降っており、どこまで翌日の校内発表にむけての準備ができるかが心配されました。しかし、礼拝を終え講堂から出るとすでに雨はあがり、クラスごとの準備は予定通り進めることができました。一つ残念だったのは、グラウンドで予定されていたミニ運動会とキャンプファイヤーは、雷雨の予報のため中止となったことです。
 12日(金)午後の校内発表では、翌日の一般公開に向けたデモンストレーションを行うクラスもあれば、文化部のように初めから全力で発表を行うところもありました。終演後の中夜祭では、生徒・教師がひごろ見せない特技を披露しました。
 13日(土)の一般公開日は、9時30分の開門と同時に沢山の方が入場しました。教室内の展示やゲーム、グラウンドの飲食店も待つ人の列がなかなか切れないところも多く見られました。後夜祭では、実行委員はじめ高校3年生がダンスやバンドで最後の平和祭を満喫しました。
 最終下校時には、激しい雷雨もあり、名残惜しい平和祭の幕がひかれました。
 

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