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平和学園からのお知らせ

2012年12月20日

アレセイアの輝き 第118号

『博士達のささげもの』 平和学園宗教主任 横山厚志

 

「彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。(マタイによる福音書2章11節)

 

 クリスマスは、イエス・キリストの誕生日を祝う時です。今から約2000年前に世界で最初のクリスマスが祝われました。このクリスマスに招かれたのが、羊飼い達であり、東方の博士達です。マタイによる福音書は、東方の博士達のことを書いています。この東方の博士達ですが、東方と言えば今のイラク辺りです。マタイはこの博士達を占星術の博士達と呼んでいます。占星術と言えば星占いですが、今私達が考える以上に重要な役割を果たしていました。星は規則正しい動きをしています。それは星が不規則な動きをすることによって、何か大切なことを知らせることだと考えられていました。イエス様の生まれたユダヤのベツレヘムからとても遠い東の国で星の動きを見ていた学者達に、不思議な星が現れて、クリスマスの出来事を知らせるのです。突然現れた星が不思議な動きをして、博士達を星が招いているように感じたのでしょう。博士達は、星の意味を探すために旅に出ます。東の国を出て、ユダヤのエルサレムに着くまでどのくらいの時間がかかったのでしょうか。そしてどれ程の苦しい旅だったのでしょう。

 

 ついにエルサレムに着きます。博士達は肝心な星を見失っています。それでヘロデ王に尋ねることになります。ヘロデ王との関わりで、ユダヤのベツレヘムがその場所であると言うことを知り、ベツレヘムに向かいます。すると星が現れたのです。肝心な星を見つけることができ、その場所にたどり着くことができました。マタイは学者達の様子を10節で「学者達はその星を見て喜びにあふれた。」と書いています。ベツレヘムの貧しい家畜小屋でした。その家の中では、幼子と母のマリアがいたのです。博士達はひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を捧げました。

 

 私達もクリスマス礼拝を守り、献金を捧げました。イエス・キリストの誕生を祝ったのです。この献金は神に、イエス・キリストに捧げたものです。具体的にはどこに捧げられるのでしょうか。昨年、東日本大震災が起り、宮城県石巻市・ひまわり保育園、福島県いわき市・清風幼稚園に献金しました。直接届けました。今年のクリスマス献金を、同じ場所に捧げることになりました。そこで、それぞれの近況を知って欲しいと思います。ひまわり保育園では、今年畑を再開させ、さつま芋を収穫し、子供達と一緒に美味しく食べることができたと園長先生から報告がありました。少しずつですが、復興している様子を知ることができます。泥にまみれた園庭がきれいになり、畑になることができたのです。清風幼稚園ですが、「いわきは空間線量率的には低く保たれ守られ[0.09~0.10]いつもの生活を取り戻しつつあるものの低線量被曝・内部被曝への不安を抱えての生活です。11月27日には第3回目の園庭整備を実施いたしました。街のなかにある幼稚園としては緑が豊かでしたが、草木や落ち葉の湿気がどうしても線量を高くしてしまうので大きな桜や欅の木を残して、殺風景な園庭になってしまいました。畑もなくしました。保護者は「園庭広くなりましたね。」と表現しましたが、年長児は「木がなくなっちゃったね!」と…ほんとにその通り。クローバーやたんぽぽの葉、そして雑草さえもない庭は寂しい限りです。私は年長児に「木がなくなっちゃったね。ごめんね。これから新しい木を植えようね!」としか言えませんでした。子どもたちに申し訳ない気持ちでいっぱいです。子どもたちの飲食には本当に気を遣っております。うがいに関してもミネラルウォーターを使用し給食の食材も北海道や西日本のものを主に使用しております。子どもたちの元気な姿を目の前にしても、普段の生活を取り戻しても目に見えない放射線に対しての不安がついてまわります。これが被災地の私たちがずっと抱えて生きていかなければならない現実なのでしょうね。勿論、現実と向き合いながら前に歩んでいきますが…」と園長先生よりメールを頂きました。神奈川に住んでいると気づくことのない放射能との戦いがあります。献金を届けることによって、私達が被災地のことを忘れない。そのような思いを新たにしたいと考えます。クリスマス、捧げた献金をまた被災地の2箇所に直接届けます。

 

 

平和学園幼稚園 「喜びを届けるクリスマス」

 

 アドベントに入るころから、年長組の子どもたちとイエスさまのお誕生の絵本を読み始めました。年長組の子どもたちは、クリスマス礼拝でページェントを行います。これまで読んできたたくさんの絵本を思い出し、シナリオも子どもたちの言葉から作っていきました。そして、ストーリーを演じる役、歌でページェントをひっぱるコワイヤー、一人でマイクを持ち進行するナレーターなど一人ひとりが担います。その練習の間に、困っている人のために献金箱を作り、いつも助けてくれる家族のためにプレゼントも作ります。クリスマスのよろこびを、たくさんの人に伝える子どもたち。「だれかのために喜びを届ける」そんな思いでクリスマスを迎えられるといいなと思います。

 

 

平和学園小学校 「ページェント準備」 共に祈りあった小学3年生と年長さん[2012年12月5日]

 

 幼稚園の年長さんは14日のクリスマスページェントにむけて、小学3年生は13日のクリスマスページェントにむけて、ともに練習をがんばっているところです。「いっしょにお祈りできるといいね。」その思いが、実現しました。年長さんは、10時からグレーニアホールで礼拝を行いました。その後、3年生が合流。お互いにページェントを紹介し、賛美を交わし、共に祈りあうことができました。

 

 『神さま、私たちはページェントを練習しています。本番まであと少しです。みんなががんばって、イエスさまのお誕生の喜びを伝えられるようにしてください。このお祈りを、主イエス・キリストのみ名によって、おささげいたします。アーメン』

 

 

アレセイア湘南中学高等学校 「キャロリングの報告」

 

 平和学園において、キャロリングは茅ケ崎駅でずっと続けられてきました。最近では茅ケ崎駅の南口、北口前、イトーヨーカド前です。多くの人達が集まり、讃美歌を歌っています。昨年、辻堂駅にテラスモールができてこともあって、辻堂駅でもできないかと考え、計画し、今回初めて実施することができました。茅ケ崎駅では北口前だけでしたが、大勢の方々と、クリスマスの讃美をすることができました。茅ケ崎駅でのキャロリングを終えて、JRで移動して辻堂駅へ行き、テラスモール1階広場に集合しました。始まる頃には多くの方々が集まり、クリスマスの喜びを歌で伝えることができました。イエス・キリストの誕生を多くの方々と一緒に讃美を通して祝うことができました。

 

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