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平和学園からのお知らせ

2012年3月19日

アレセイアの輝き 第113号

『命を救うために』  学園宗教主任 横山厚志

 

「命を救うために、神がわたしをあなたたちより先にお遣わしになったのです。」(創世記45:5)


 創世記37章からヨセフ物語が書かれてあります。ヤコブの子供達12人、それがイスラエルの12部族になっていきます。このヨセフ物語は、当時の世界的な大飢饉から世界の人々を守ろうとする事柄が書かれてあります。


 飢饉が世界的な規模で起っていきます。それに対してヨセフが素晴らしい働きを行うのですが、ヨセフは途中から父や兄弟達から離れてエジプトに行き、飢饉への備えをすることになります。


 しかし、そのことにヨセフは気がついていませんでした。どうしてヨセフがエジプトに行くことになったのか、ヨセフは最初、父や兄弟達と今のパレスチナに住んでいました。父ヤコブは自分の子供達の中で、ヨセフだけを溺愛するのです。ヤコブはヨセフだけに特別の裾の長い晴れ着をつくってやります。ヨセフも自分だけ特別の服を与えられて喜んでいます。他の兄弟達がそれをどのように思っているのか気がつきません。兄弟達は父がヨセフだけを可愛がるのを面白く思っていませんでした。逆に憎しみ殺意にまで発展していくことになります。父の元を離れたヨセフに、兄弟達は最初殺そうとするのですが、結果的に奴隷としてエジプトに売ると言うことになりました。このようにしてヨセフのエジプト行きになりました。


 エジプトでは奴隷、囚人と大変な思いをしました。ヨセフには得意なことがありました。それが夢を解くと言うことです。夢を通して、その意味を明らかにしていく能力です。そしてエジプト王が2つの夢を見ました。当時は王が夢を見ることは特別な意味があると考えられていました。誰も王の夢を解くことはできませんでした。いよいよヨセフの登場となります。ヨセフは王の夢の意味を解いたばかりではなく、それをいかに克服していくか具体的な方法まで語ります。王の夢とはこれからエジプトに7年の豊作が続く。その後、7年の飢饉が起ると言うのでした。豊作の時、できるだけ食べ物を保管していくことです。


 ヨセフはエジプト王から権威を与えられて、実際に飢饉を対応するようになります。世界に食べる物がなくなっていきます。エジプトには食べる物がありました。


 ヤコブとその家族も飢饉に苦しんでいました。生き延びるためにはエジプトに行き、穀物をヨセフから買うと言うことになります。それで命は助かります。創世記45章はヨセフと兄弟達の再開の場面が書かれてあります。兄弟達は目の前にいるのが、ヨセフだとは知ることもありません。しかし、ヨセフは語ったのです。自分がヨセフであることを、感動的な場面です。ヨセフは語るのです。「命を救うために、神がわたしをあなたたちより先にお遣わしになったのです。」と。兄弟達はヨセフを憎みました。殺そうとしました。奴隷として売ってしまいました。結果、ヨセフがエジプトへ行き、世界的な大飢饉からヤコブの子ら、イスラエルの人々だけではなく、世界の人々を救うことにつながっていきます。ヨセフは自分の今までの歩みを通して、神が導かれたことを受け止めることができました。


 人生の中では成功よりも数多くの失敗があります。ヨセフ物語を通して、その失敗を神は用いて下さることを知ることができます。失敗から、間違いから神がどのように導いて下さるのかを、見る者になりたいと思います。

 

平和学園幼稚園「バトンリレー」

 

 3月14日に、年長組の子どもたちは平和学園幼稚園を巣立って行きました。卒園式までには年中組に幼稚園のお仕事のひきつぎがありました。ドッチボール大会や卒園製作、うたの練習など、同時に色々な事柄に取り組み、話し合いを重ね、力を合わせて過ごしてきました。うたの練習をずっと見守ってくれていた年少組の子から"さいごまでいてくれてありがとう"という言葉をかけてもらった時には、年長組の子どもたちは、とても嬉しそうでした。そして年中組は、いつも隣のクラスの様子を覗きに来ては、"ぼくたちはいつできるの?"と憧れのまなざしで年長組の姿をみていてくれました。"次はぼくたち、私たちががんばらなくては"という勢いを感じる日々でした。卒園式当日は、今年度の年長組の子どもたちから来年度の年長の子どもたちへ上手くバトンリレーができたようでした。

 

平和学園小学校「学校を愛する子供たち」


 平和学園小学校では児童会役員を選挙で選んでいます。選挙で立候補したひとりの児童の演説を抜粋し、お知らせいたします。


 『ぼくの考えた「平和らしい」ところは4つあります。それは①親しい仲間・1年生から6年生まで顔見知りこんな学校はあまりありません。②楽しいクラス・一クラスしかないそのクラスを6年間みんなで大切にします。③優しい心・けんかはときどきしても、いじめはしない心を持っています。④美しい心・毎朝礼拝をして心をみがいています。この4つの平和学園らしさを大切にして、副会長になったら、この伝統をつなげていけるようにしていきたいです。』


 立会演説会で立候補したどの子も、平和学園小学校にたいする熱い思いを語り、さらに学校をよくしていきたいと表明してくれました。平和学園小学校は自分たちの手で学校をつくっていこうという主体的なこどもたちで成り立っています。

 

アレセイア湘南中学校「スティールパン演奏会」


 3月8日の晴れた日に、スティールパン演奏の発表会が行われました。演奏者は中2全員と中3の選択者で、お客様は、中学1年生と中学3年生のゴルフ選択者と小学5年生と6年生と保護者の方々、そして、先生方でした。演奏会は、企画委員の生徒が中心でしたが、焦りや不安から、意見の衝突もありました。良い演奏会にしたいという気持ちは、同じでも、自分と違う意見を受け入れることの難しさを痛感したように思います。


 このように、ぶつかり合いから当日まで、緊張が続きましたが、良い演奏会にしたいから心を合わせようというみんなの思いが勝ち、そのお陰で、素晴らしい発表会になりました。心を合わせた時の力と、その音楽の力には、とても感動させられました。

 

アレセイア湘南高等学校「大掃除で教室に感謝」


 16日(金)に校内の大掃除をおこないました。この一年間の感謝を込めるのはもちろんのこと、4月から新たな生徒たちを迎え、気持ちよくすごせる教室にするべく、窓拭きや雑巾がけ、ワックスがけをおこないました。4月から3月におよぶ、長いようで短い学校での生活は、自分たちのホームルーム教室と座席があって、充実させることが出来るのだと思います。きれいになった教室では、4月からどのような生活が始まるのでしょうか。

 

 新年度までの約2週間、各教室は、しばし静かな休息の時をすごします。

 

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