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平和学園からのお知らせ

2012年11月30日

アレセイアの輝き 第117号

『闇の中に輝く光  平和学園宗教主任 横山厚志    
 

「光は暗闇の中で輝いている。」(ヨハネによる福音書1章5節)
 
 イエス様の誕生を待つ待降節(アドベント)が始まりました。神の子であるイエス様がこの世にお生まれになる。素晴らしい出来事です。私はイエス様が生まれた場所のことを考えます。ルカによる福音書は、次のように書いています。ルカ2:6~7「ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。」神の子の生まれた場所は家畜小屋であり、寝かされた所は飼い葉桶です。家畜の食べ物を置く場所。そこが神の子のいる場所。ルカは人のいるべき場所である宿屋には、神の子のいる場所がなかったと伝えています。神の子がいる家畜小屋や飼い葉桶、ここは闇の世界を表現しています。闇の中に神の子は来て下さったのです。闇の中に神の子がいる。光り輝く神の子が来られたのです。
 
 星野富弘さんと言う人がいます。とても有名な人ですので知っている方も多いと思います。星野さんは若い時はスポーツマンでした。体操の選手で、大学時代は登山をやっていたそうです。大学を卒業し、近くの中学校の教師になりました。教師として希望に満ちた日々が始まるはずでした。先生になって、
2ヶ月後に大きな事故にあいました。体育館で上から下に落下し、頸椎を激しく打ち、首から下がまったく動かなくなってしまったのです。今まで何不自由なく、動いていた人が、急に首から下が動かなくなってしまう。どのような思いになるのでしょうか。星野さんは9年間入院生活することになります。このままずっと天井だけを見て生きていくのだろうかと思うと深く悲しくなって、できれば死んでしまいたいと思ったそうです。でも首から下が全く動かない状態では、死にたくても死ぬことができないと絶望感を感じたそうです。
 
 星野富広さんが書いた本に「愛、深き淵より」というものがあります。その中で食事の様子が次のように書かれてあります。「・・・食事の時だった。母の手元がふるえてスプーンの汁を私の顔にこぼしてしまった。わずかなことだけれど、カッとなってしまい、そのとたん積り積っていたイライラがいきなり爆発してしまった。爆発といっても、どうしようもないほどにふくれあがったいらだちを、投げつける相手は母しかいない。私は口の中のご飯粒を母の顔にむけて吐き出して、どなった。『チキショウ。食わねえ。くそばばあ』ちらかったご飯粒をひろいあつめながら、母は泣いていた。」
 
 星野さんの気持ちが本当によく表現されています。病院のベットは星野さんにとって闇を表現すると思います。ずっと寝たきりでいなければならない。星野さんは闇の中にいたのです。でも、そこでこそ、イエス様の愛を知ることができました。イエス様の誕生の時、イエス様のベットは家畜小屋の飼い葉桶でした。神の子は、まさに自分の所に来て下さり、自分と一緒になって下さった。そのような信仰になっていったのです。星野さんのそばに母親がいてくれたことは幸いなことでした。星野さんの思いを受け止めてくれた存在だったのです。その星野さんは、このような詩を作っています。「神様がたった一度だけ、この腕を動かして下さるとしたら、母の肩をたたかせてもらおう。風に揺れるぺんぺん草を見ていたら、そんな日が本当に来るような気がした。」イエス様と出会った星野さんは、口に筆をくわえ素敵な詩や絵を書いています。そのことで多くの人々に生きる希望と喜びを与えているのです。イエス様への信仰には人を生かす力があります。
 
 
平和学園幼稚園 「せんろをつなげよう!」
 
 2学期は行事が目白押しです。しかし、その忙しい中でも子どもたちにとっては遊びがとても大切です。年中組では、「せんろをねんしょうさんまでつなげよう!」と、遊びが広がっています。色々なクラスから線路を借りては組み立てています。しかし廊下を通って年少組へ行くにはとても険しい道のりが待っています。「こわさないでください。」「まっすぐせんろをもってきて!」など声をかけ合いながら年少組までつなげています。まだ完成したことはありませんが、れんげぐみという目標に向けて進んでいます。
 
 
平和学園小学校 「ともに喜び ともに泣く(ローマ12:15)」
 
 11月中旬、陸上競技会が行われました。「がんばれー!」応援の声がかかりました。「やったー!」ともに喜びあいました。仲間の喜びは自分の喜びです。記録が伸びず、涙を流した子どももいました。励まされ元気を取り戻す子もいれば、そっとしてもらうことで立ち直る子もいる。仲間は仲間の支え方、必要な寄り添い方を知っています。アレセイア湘南高校に進んだ卒業生2人が、応援に駆けつけていました。涙の止まらない小学生は、その卒業生の胸に飛び込み、おいおいと泣きました。卒業生は、やさしく包んでくれました。実はその卒業生も、陸上記録会のあと、悔しくて泣きました。だからこそ、気持ちが手にとるように理解できたのでしょう。卒業してもなお、つながっている。ともに喜び、ともに泣く。熱く、さわやかな記録会でした。
 
 
アレセイア湘南中学校 「思い出の3年国内研修旅行!」
 
 3年生は10月30日(火)~11月1日(木)にかけて国内研修旅行に奈良・京都に行きました。奈良では奈良公園で班別行動をし、その後、京都に向かいました。京都では清水焼絵付けの体験など大変楽しい一時をもちました。京都では幅広い地域で班別行動ができ、中学時代の心に残る思い出の時を過ごしました。 
 
 11月16日(金)には全学園での点灯式に多くの中学生が参加し、クリスマスへの備えと、点灯式での良き交わりの時がもてました。ご助力下さった保護者の方々に感謝します。
 学期末試験が近づきつつあります。補習もそろそろ始まります。各自、全力で2学期の総まとめの時として欲しいと願います。
 
 
アレセイア湘南高等学校 「収穫感謝礼拝」
 
 2012年11月9日(金)、毎日の食事の感謝と、それらを用意してくださる働き人への感謝、日々生かされている事への感謝、これらの思いを込めて、今年も中学高校合同で、収穫感謝礼拝を行いました。一週間ほど前から、全校の生徒および教職員が、野菜や果物などを持ち寄った結果、今年は、柿やみかんやリンゴなどの果物はもちろん、ジャガイモ、サツマイモ、ニンジンなどの野菜も、講堂の講壇いっぱいになるほど集まりました。放課後、宗教委員とドルカス部員を中心とした有志たちで、集まった野菜や果物を、白十字林間学校に届け、林間学校の皆さんと心を一つにして、感謝の礼拝を捧げました。

 

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