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平和学園からのお知らせ

2012年6月14日

聖書と教育実践 第4号  学園長

新しい向きに心を変える

 

マタイによる福音書 3章15節

 しかし、イエスはお答えになった。「今は、止めないでほしい。正しいことをすべて行うのは、我々にふさわしいことです。」そこでヨハネはイエスの言われるとおりにした。

 

 洗礼とは、心の向きを変えることと言われています。イエスは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」と、叫ばれた方向(十字架のイエス)に向きを変えられました。イエスは人の子として十字架にかかれるために受洗したのです。「今は、止めないでほしい。正しいことをすべて行うのは、我々にふさわしいことです。」との言葉は、聖書に載っているイエスの最初の言葉です。そして、これから歩むイエスの道程は険しいけれども、決して後戻りはしない、正しいものは全て行うのだという決意の程が凝縮された言葉でもあります。


 学園は61年目を迎え、すでに半年を経ました。前理事長・学園長であった夏村充先生は、「本学園は60周年というひとつの節を終え、61年目を迎えることになる。61年目というのは人生にとっては新しい門出、過去にこだわらず新しい学園を創り出して欲しいと願っている」と言われて退任されました。


 イエスは、人類のために心の向きを変えられました。そして、語るだけでなくどのような困難な場面でも実践する人として生涯を全うしました。私達は子・どもの教育を預かる者の集まりです。私達は、イエスの意気込みに学び、かけがいのない一人ひとりの子ども達のために、心の向きを変えることに躊躇せず、実践する心意気と行動が必要なのです。逆に、実践が伴わず口先だけの評論家タイプや過去にのみ踏襲し、未来への夢を望まない者は、新しい学園を創造していくには・・・・と、考えさせられます。「自我作古(われよりいにしえをなす)」それが今年度から始まったのです。


 わたしは、4月の学園長挨拶で「一人では何も出来ない。しかし、全てのことは一人から始まる」という文言を用いて話をさせていただきました。新しくなるための基本が、この一文に凝集されているように思えます。10月に発行される学園広報に、掲載しましたので皆さんにご紹介します。


 

 

資料 学園広報 2007年10月発行予定より


期待すること チーム力そして創造力


「一人では何も出来ない。しかし、全てのことは一人から始まる」


 この文から皆さんは、どのようなことを考えますか。私は、読めば読むほど含蓄のある文であるし、学園で働く私達の基本姿勢がここにあると感じています。


Ⅰ チーム力を信頼する者たれ


 この文に出会った時、「一人では何も出来ないなんてことはない、一人で出来ることだってたくさんあるさ。」と思っていました。しかしそんな意味ではないのではと考えるようになりました。『一人では何も出来ない』は、一人でも出来ることはあるのです。しかし、一人よりも二人、二人よりも三人と大勢で知恵を出し合って問題に取組むと、どんなに難しい問題も解決できるし、想定した以上の成果が生み出されるという意味ではないかと思うようになりました。


 テレビ番組でプロジェクトXというのがありました。この番組では、ある課題解決に向けてプロジェクトを組み、多大な努力を払いながら難局を乗り切り、新製品等を作り出していく経過を放映していました。まさに「ひとりではできないがチーム力では解決できる」という見本を示していると見る度に感動しました。


 今、子どもを取り巻く環境は、雑多な問題が次から次へと生まれてきています。学校でも家庭でも、かけがいのない子ども達を立派に育てていくには、『私達は子育てプロジェクトなのだ』との意識を持って互いに情報交換をし合い、知恵を出し合って協力しながら対応して行くことが基本だと思っています。互いの力を信頼して取組むチーム力が必要なのです。


Ⅱ 創造力を出す者たれ


 もうひとつは、「しかし、すべてのことは一人から始まる」という文です。まさにその通りです。


 前理事長・学園長の夏村充先生は、「本学園は60周年というひとつの節を終え、61年目を迎えることになる。61年目というのは人生にとっては新しい門出、過去にこだわらず新しい学園を創り出して欲しいと願っている」と言われて退任されました。


 学園の創造とは、残すべきものは残し、改めるべきことは改めるという不易流行の考えなくしては出来ません。そして、理想を求めながらも現実を直視し、『子どものために』と、信念を持って創造的な働きをするとことが肝要です。


 創造とは、具体を新しく創り出すことですが、それを生み出す源は、私達一人一人なのです。私達の学園は、伝統を重んじつつも創造的に仕事をしながら、新しさを兼ね備えた学園へと変貌していかねばならないのです。確かな学園へと変貌するには、一人ひとりが創造的に仕事をすることが重要なのです。そのためには、己の内に潜んでいるマンネリズムと惰性で生きている自分に気付くこと。そして子どもの幸せのために必要だと思うことは、具体にして提示し実践することです。まず、あなた自身が生まれ変わり新たなる創造者となることなのです。


 「一人では何も出来ない。しかし全てのことは一人から始まる」
 

 さあ61年目が始まりました。未来に羽ばたく平和学園にアレセア湘南に期待します。そして、それを支え担ってくださる皆様にも大いに期待いたします。

 

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