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れんらくノート

2020年4月10日

いしひろい

園庭で石拾いをしていました。

子どもたちがつまずかないように?
投げたりしたら危険だから?
プランターの底に敷くため?

教員が園庭や校庭の石を拾うのには大抵理由があります。
今回はカモフラージュのための石拾いでした。

保育部の子どもたち、預かり保育の子どもたちがわずかながら登園しています。
コロナウイルスのことがなくたって、気持ちがそわそわする4月。
新しいスタートは子どもたちの緊張感をぐっと高めます。
同時に期待感もぐぐぐっと高めます。

ナイーブになりがちな4月。
新園舎という環境の変化。
新型コロナウイルスという目に見えない不安。
お母さんと離れがたい子どもがいました。
さみしさからか、緊張からか、なぜだかわからない気持ちからか。
だけど、彼には期待感もありました。
「今日は幼稚園でこれをする」という気持ちが。
靴だって、靴下だって、ズボンだって、洋服だって、目的とする遊びのために自分で選んだのです。

なんとか気持ちをたかぶらせ、お母さんと離れる彼。
新しい担任の先生と園庭へ。
どうかな?大丈夫かな?
気になる私は石を拾います。
全面ガラス張りのホールから彼がいる向こう側を気にしつつ。
きいろいバケツの中の石はガラゴロガラゴロ。

彼の気持ちはコロコロコロ。
随分、いい表情で遊んでいます。
先生も息を切らせて走っています。
きいろいバケツが彼に近づいていきます。
石を拾いつつ。
そろそろ混ぜてもらおうと歩を進めようとしていると。

「園長先生、石拾いしているんですか?変わりましょうか?」
園長が石拾いをしているのを気にかけて声をかけてくれる先生。

『実は、石拾いをしているわけじゃなくて』
しどろもどろになる、きいろいバケツ。
『彼が気になって、じっと見てるのもあれかなって。だからカモフラージュ。』
なんて伝えつつ。

子どもへのアプローチはいろいろあります。
ストレートにいくことも。
変化球でいくことも。
あえていかないこともあります。

いろんな作戦をたてつつ、過ごすことは意外と楽しいものです。
今日は、そんなことを書いてみました。
声をかけてくれた先生の作戦ノートに「石拾い」がメモられていたらいいななんて。

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