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根っこの成長

2023年1月10日

根っこの成長 2023年1月

「きみは愛されるために生まれた」という歌が流行した時がありました。子どもたちはこの歌のように「愛されるために」生まれてきたのです。この歌が流行したとき、子どもに対する愛情の深さ、温かさなど、母になった方や、子育て中の母たちが涙を流されて愛おしい我が子への想いに胸が熱くなったと聞きました。しかし昨年、小さな子どもをバスの中に置き去りにしてしまったというニュースが幾度か放送されました。また、子どもに一番近い存在、理解者である大人によって虐待、いじめなども日常的にあったという衝撃的な記事にも、驚きを隠せない日々が続きました。子ども社会で共に生きる大人は、子ども同士の中で起きる事柄について、慎重に関わりながら解決できるように努力していきます。しかし、子どもと生きる大人が、しなくてもよい経験をさせてしまうことを行っていたことに心が痛み、憤りを感じました。何故、罪のない子どもがそのような経験をしなくてはならないのか、決してさせてはいけない許しがたいものであると大人同士で大きな声を出すことに勇気を持ってほしいと思います。未来を担う子どもたちの生きる社会、子どもの命は周りにいる私たちが、支えていきましょう。愛おしい子どものために。

また子どもを育ててゆく大人の関係性が、問われる時代でもある今の社会です。子どもに起こる問題は、子どもだけに起きていることではなく、大人の社会でも起こることだと認識しましょう。他者(子ども)と生きていく中で、自分の主張だけが強すぎると、いつの間にか気の合う人しか受け入れられず、知らずと隣人を愛せなくなっていることがあります。またそのことに気づくことができない現実もあるのです。それが、子どもたちにも影響があるかもしれないと心のどこかに留めておきましょう。他者と共に生きることは他者の声を聴き、自分で考え、対話をしながら関係を深めていく(他者を認める)自律がとても大切なのではないかと思います。

だからこそ、いつの時代でも子どもが生きる環境は、大人がつくっていくものなのではないでしょうか。幼稚園では、子どもたちにどのような力をもって成長してほしいのか、そのためにはどのような環境が必要なのかと常に考えて、大人の知恵を出し合い話し合いをしていく必要があると考えています。今の社会は、生活するのにとても便利な社会、家庭環境になっています。その社会の中で、自分子どもたちが楽しめるものは、いったい何でしょうか。「楽しい」「喜び」は常にそのような状態だと、もっともっとと大きく求めていきたくなりませんか。でも、苦しいこと、悲しいこと、嫌だなと思うことを乗り越えると、そこに待っているものは大きな「喜び、楽しみ」なのではないかと思います。ですから、子どもは歩くことで、身体づくりができたり、細やかな作業をすることで生活に必要なものを作り出したり、考えることでいろいろな答えを見出すことが出きるでしょう。また、人と共に生きることは、独りよがりの考え方ではなく、様々な意見を聞き、考えるきっかけにもなることと、共感や共有という経験を重ね、絆や信頼が生まれてコミュニティがつくられていくのではないでしょうか。これから未来を生きる子どもたちには、人間性の豊かな社会の中で、共に生きていくために自分の努力と他者の力が加わり、協力し合える社会を作れる環境を残していきたいと、祈り続けていきたいと考えています。