本校は「真の平和をつくり出す人を世に送り出すこと」を願い、第２次世界大戦直後に湘南の地に設立されたキリスト教主義の学校です。

世界各地ではいまだに戦争や紛争、内乱などが続いており、多くの人たちの命や生活が脅かされています。しかし、平和な環境の中にいると、平和のありがたさを実感したり、その大切さを語ったりすることは案外難しいものです。だからこそ、平和について考えたうえで、行動できる人材が重要だと考えます。本校には優しい心を持った生徒が多く集まりますが、これからの社会を生きていくためには「前に出て積極的に挑戦する勇気」も必要でしょう。平和を心に秘めるだけでなく、世界に羽ばたき実際に平和をつくり出す人になってほしい、というのが私の願いです。そしてこのような人材を育てるため、本校は安心して挑戦できる場所、失敗から学ぶ場でありたいと思っています。成功体験ももちろん大事ですが、人生では失敗の方が多いものです。失敗を恐れず挑戦し、そこから学び成長する経験こそが、生きる力を育むと信じています。行事や部活動などでも同様です。生徒たちは他の人の意見や立場を尊重し、協力し、時にぶつかり合いながらも一つのものを作り上げていく。この経験は社会に出てからも大いに役立つでしょう。

最後に一つ、みなさんに知っておいてほしいことをお伝えさせてください。それは「人それぞれに違った個性がある」ということです。他人と比較して一喜一憂するのではなく、過去の自分と今日の自分を比べてみること。昨日の自分より今日の自分が少しでも成長していれば、１年後、５年後は大きく成長するでしょう。自分自身を大切にする心の平安がある人は、他人も大切に思うことができます。これが、平和への一歩になるでしょう。

さあ、私たちと一緒に明るい未来に向かって歩んでいきませんか。

校長　　高野　昇一