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平和学園からのお知らせ

2017年11月29日

アレセイアの輝き 第150号

「自分の弱さを受容する」   学園宗教主任 横山厚志

だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、

むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。

(コリント信徒への手紙Ⅱ12章9節)

 

新約聖書にパウロという人がいます。このパウロは、キリスト教の土台をつくった人といってもいいと思います。もちろん、新約聖書の中心はイエス・キリストです。パウロは新約聖書の3分の1が彼の手紙であり、当時の世界の半分に、イエス・キリストの福音を伝えた人です。

パウロの活躍を伝える言葉があります。「苦労したことはずっと多く、投獄されたこともずっと多く、鞭打たれたことは比較できないほど多く、死ぬような目に遭ったことも度々でした。ユダヤ人から四十に一つ足りない鞭を受けたことが五度。 鞭で打たれたことが三度、石を投げつけられたことが一度、難船したことが三度。一昼夜海上に漂ったこともありました。」(Ⅱコリント11:23~25)

パウロは3回に渡る伝道旅行、そしてローマへの旅をしています。特にローマへの旅は、囚人としてローマに護送されるものでした。パウロの活躍の内容を知ると、どれほどスーパーマンなのだろうと考えてしまいます。どうして、これほどの働きができるのだろうと思います。パウロ自身、弱い部分は何も感じていなかったのではないかさえ私は思ってしまいます。

しかし、実際は違っていました。「そのために思い上がることのないようにと、わたしの身に一つのとげが与えられました。」

(Ⅱコリント11:7)とパウロ自身が書いているように、自分の体に1つのとげが与えられていたのです。肉体のとげというのは、重い病気のことだったと考えられています。実際どのような病気だったのかははっきりしていませんが、大変な重荷だったようです。そのためにパウロは三度肉体のとげを取り除いてくださいと神に祈っています。しかし、神の答えは「ノー」でした。神はパウロに言うのです。「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と。

これはどのようなことなのでしょうか。私たちは力を求めます。能力を求めます。いろいろな能力、他人よりも優れていることを求めます。一方で、私たちは弱さがあります。誰でも、この弱さがあります。できれば認めたくものです。でも、この弱さはとても大切なものであるとパウロは、ここで私たちに教えているのです。

パウロは伝道旅行の最中に、この肉体のとげに襲われたことがあり、伝道旅行を継続することが困難になりました。このような時に、本当に、肉体のとげを取り除いてくださいと切実に神に祈ったことでしょう。でも、神は肉体のとげは必要だというのです。パウロは、ここで「それは、思いあがらないように、わたしを痛みつけるために、サタンから送られた使いです。」と書いています。何でも自分自身でできてしまうことは危険だといっているのです。神に頼らず、自分の力に頼ってしまうからです。自分を誇るようになるのです。そのような意味で、私たち人間は本当に弱い存在なのです。神を頼みとすることは、自分の弱さを知るために、何かしらのとげが必要となってくるのです。そのとげを通して、自分の弱さを知り、神に頼ることができるのです。自分の弱さを受容することはとても大切なことなのです。私たちは自分の弱さを受容できるようになりたいものです。

 

平和学園幼稚園

「収穫感謝祭の1週間」

幼稚園では収穫感謝祭の1週間を過ごしました。収穫の恵みを神さまに感謝して、礼拝を捧げ、年長組を中心にカレー作りを行いました。年中組の仕事は年長児が包丁で切った野菜をまたボウルに入れて、何度もホールへと運ぶことです。廊下で野菜を落としてしまう子や、どこに行くかわからず戸惑う姿もありましたが、最後まで自分たちの仕事をやり遂げると、子どもたちの顔は達成感で満ち溢れていました。翌日はお世話になっている方々をお招きし、皆でカレーパーティーをしました。翌週には「カレーのお返しがしたい」と今度は年中組からお芋ご飯をプレゼントすることになりました。おいしい秋の実りにお腹も心もいっぱいの子どもたちです。(年中担任)

 

平和学園小学校

「献金袋の作成」

小学校の児童委員会活動の1つに、奉仕委員会があります。朝の礼拝の準備をしたり、司会や奏楽を兼ねて担ってくれている子もいます。2学期、クリスマスが近づくと、献金袋を作ることも奉仕委員の大切な役目です。学園全体の分を作るので1200枚位になります。去年までは、小学生だけで作っていましたが、うれしいことに、今年は、アレセイア中高の先生と有志のお兄さんお姉さんがお手伝いに来てくれたのです。ちょっぴり照れながらもうれしそうにみんなで折りました。小学生が中高生に教えてあげる、というグループもあったようです。さすがに、みんなで折ると早い、早い、あっという間に1000枚折りあがりました。足りない分は、そのあと、奉仕委員が折りました。もうすぐ、その献金袋が 皆さんに届きます。

 

アレセイア湘南中学校

「平和について学ぶ ~広島研修を通して~」

 中学3年生は、研修旅行で広島に行きました。1日目は平和学習でした。事前に学習をしてから出かけたのですが、実際に原爆ドームの周りの緊張感を感じ取り、資料館の被爆物を見つめ、広島教会での講話を聴いた生徒たちは息が止まるほどの衝撃を受け、人間の愚かさを感じ取ったようです。多くの被爆者が水を求めてたどり着き力尽きて亡くなった元安川では、胸が押しつぶされるような思いをしたそうです。泣きたくなった、けれども泣いてはいけない気がしてこらえたとの声もありました。それぞれが、悲惨さを嘆くだけではなく、自分たちのような若者が声をあげ平和を訴えなくてはいけないと自覚して帰ってきました。

 

アレセイア湘南高等学校

「キリスト教強調週間」

 11月2日から12日までは「平和をつくる人」をテーマとするキリスト教強調週間でした。櫻井牧師や黒田牧師のお話を聞き、夏期休業中に行われた東北平和の旅や広島平和の旅の報告会では戦争の惨禍や被災地の現状を生徒が報告することで、平和について考えさせられる1週間になりました。そして、10日の収穫感謝礼拝では生徒たちが野菜を持ち寄り収穫感謝礼拝が行われました。そこでは、収穫感謝礼拝の由来とともに、共に分かち合うことの大切さについてのお話がありました。集められた野菜・果物は放課後、宗教委員の生徒と共にお隣にある施設の白十字会林間学校へ持って行き、礼拝を捧げ寄付しました。共に喜びを分かち合うすばらしい一時でした。