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根っこの成長

2023年4月18日

根っこの成長 2023年4月

『あたらしいきせつ』

 新しい季節は、冷たい雨が降る日があり、夏のような陽ざしがさす日もあり、ほんとうに春なの?という日が続いています。幼稚園にしても社会にしても新年度が動き始めました。

平和学園幼稚園は、新年度が始まるにあたって次の御言葉を年間聖句として一年間を過ごしていくこととしました。「人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい」という御言葉です。子どもたち、おうちの方々、保育者がそれぞれの立場にあってこのことを念頭に生活ができればと願っています。

日々、保育の中に身を置いていると、子どもという存在は、どんなに小さくとも「一人の人間」であるということに気づかされます。それは、当たり前といえば当たり前のことなのですが、大人と子どもの関係性においてつい「何かしてあげなければいけない存在」として子どもをとらえてしまことがあります。「教育・保育」に関わっているとなおさらです。力が入ってしまい、大人から子どもへ一方通行に「教えねば」というように気負ってしまうのです。でも実はそれだけではありません。私たち大人も、子どもたちから教わり育てられることが実に多いのです。そして、教えずとも子ども自身が育つ力を持っていることにも気づかされます。

みなさんは、お子さんたちにどのように育って欲しいと考えていますか?例えば、人に優しくできるようにとか。あいさつができるようにとか。様々な願いや理想像がありますね。では、子どもたちがそのようになっていくために、大人には何が求められるでしょうか。少々、厳しいのですが、保護者も保育者も子どもに求めるのであれば・・・自分はどう?ということを振り返ることが必要になってきます。「教育・保育」というものが、大人から子どもへだけ矢印が向かっているわけではなく、子どもから大人にも向いているのだという意識を持って子どもたちと関わっていくと、先生と子どもの関係、親子の関係が随分と変わるものだなと保育者として親として実感することがあります。あまりにストレートな、わが子の感情表現についカッとしてしまうことがあり、未熟者だな...と思うことが多々あります。みなさんにも、そういうことが、ありますか?

きっとあるのではと思います。人間ですから。でも、安心してください。子育ては、ひとりでするものではありません。子どもたちもいますし、家族もいます、また友人もいます。そして、保育者もいます。共に支え合い、助け合い、子どもたちの育ちを守り豊かなものとしていかれるといいですね。今、いちばん手がかかりつつも「かわいいざかり」の子どもたちでしょう。この時間を楽しみ、親子共々の大切な思い出を積み上げていかれるように、日々の生活の中での子どもたちの「育ち」に気づき、大人の「育ち」につなげていかれるようにと、願い一年を始めていきたいと思います。