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根っこの成長

2023年11月16日

『感性を育てる』

園舎の廊下を歩いていると「せんせい、ちいさい石みつけたんだ」と嬉しそうに小さな手のひらをそっと開いて見せてくれました。とても小さな薄い石・・・こんなにも小さな石をどこでどう見つけたのかと感心してしまいました。

 子どもたちは園庭でたくさんの自然と触れ合っています。
「大きなはっぱあったよ」「いろんなはっぱがあるね」「黄色い。でもこっちとはちがうね」「こんなにたくさん葉っぱ見つけたの」虫食いや少し枯れている葉っぱも、赤や黄色に色づいた葉っぱもどれも自分の見つけたすごいものなのでしょう。大小さまざまな石や松ぼっくりに草花、そしてその集めたものはおままごとの材料やケーキの飾り、おだんごを乗せるお皿になっていたり。どこにどんな虫が隠れているのかを知っている子どもたちは花壇の隅をこっそり掘ってみたり、レンガをどけてみたり、またその横では興味津々な顔でお兄さんの行動をじっと一緒に見ている小さいクラスの子がいたり。自然(砂、土、葉っぱ、石、草花・・・)はどれも子どもの遊び道具の一つにもなり、友だちの一つにもなるのです。

 このように室外では、いろいろなものが子どもたちにとって不思議なもの、面白いものがキラキラと輝いて見えるのでしょう。大人にはただの石ころに見えるものも、子どもたちの目にはみんな違う形や色をしていて、なんだか特別なものなのかもしれませんね。そして石ころや虫をみつけては座り込み、ちょっと進んでは小枝や葉っぱ、道端に咲く小さな草花に目が行き、どんぐりや実を見つけては拾う。また風が吹けばその風の音を聞き身体で感じ、雨が降れば屋根に当たる音や屋根から流れ落ちる水をじっと眺めたり、雨どいに耳を当て雨水が通るのを聞いていたり。「汚いから・・・おいてきて」「ほら、もう早くいくよ!」「そんなの拾ってどうするの?」などつい言ってしまいそうですが、ちょっと足を止め子どもの言葉や表情にそっと耳と目を向けてみるとよいでしょう。そして子どもの感じていることを理解し、できるだけ待ってあげてみてください。私たち大人が当たり前に思う事でも、子どもたちにとっては自然の不思議と出あいでたくさんのことを感じているその時を大切にしていきましょう。

そして自然の中で遊ぶ事は、想像力・発想力が育ち、「何だろう?」「不思議だな」「おもしろい」「できた」などのワクワクするような体験が子どもたちの心を豊かにしてくれます。「聴く」「見る」「触れる」「嗅ぐ」など五感を使い心も身体も元気に育ち、内側から感性が育ちますまた大人の関わりによってほんのちょっとしたことが、かけがえのない成長にもつながるのです。私たちも子どもたちと一緒に、いろいろな発見やたくさんの感動を感じ楽しみ、共に成長していきたいと思います。

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