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2017年9月 1日 アレセイア通信

アレセイア通信 2017年9月号

「平和の意味とは?」 ―本校の目指すものー
 
 
 私は賀川先生、村島先生が創立された平和学園に移って5年目となりました。昨年度は学園創立70周年でしたので、この通信でもお二人の言動を追いながら原稿を書きました。非常に多くの著作を残されているので、皆様に少しずつご紹介しながら、その志に近づきたいと思っています。まだまだ自分自身が勉強不足で、お二人の哲学や思想をきちんとご紹介できないのが心苦しい限りでありますが、ご容赦ください。今号では、1936年(昭和11年)2月29日に米国マチェスター大学で開催された「キリスト教の世界秩序に関するフォーラム会議」での賀川先生の演説をご紹介しますので、皆様と共に「平和」について考えてみましょう。
 
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 『私たちは戦争を止めさせる論拠が必要なのです。しかし、このような時代にあって、哲学だけでは戦争を止めることは出来ないでしょう。私たちは平和の哲学を語る前に戦争の大義を削減する方法を必要としているのです。・・・中略・・・我々の戦争は経済的問題により引き起こされています。私たちが経済的問題を解決できないままならば、戦争を抑えることは非常に難しいでしょう。私たちが宗教的な理想主義、宗教的な実践、および日々の経済的問題へと応用可能な宗教的な理念を解決できないままならば、平和の問題を解決することは絶対に不可能でしょう。』
 
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 米国に留学した賀川先生ですが、最初に学んだ場所がこのマンチェスター大学で、平和学を専攻し、その後プリンストン大学で修士号と博士号を取得しており、今でも「マンチェスター大学で最も知られている日本人は賀川豊彦です。」と言われているそうです。また、このマンチェスター大学は学部教育では世界初となる平和学専攻を大戦直後の1948年に設けたことでも知られています。その思い出の地で講演された内容を今回掲載してみました。1936年には、国内で二・二六事件が起き、日独防共協定が結ばれ、ワシントン・ロンドン条約が失効し、日本国内では軍部が台頭し、戦争の影が見え始めた中での賀川先生の平和への視点はぶれることがなく、平和を求める一貫した姿勢が明確に顕れています。戦争を政治、経済だけでなく宗教からも見つめる賀川先生の姿勢を私たちもきちんと受け継いでいかなければならないのではないでしょうか。開戦が近づく中で、凛とした姿勢でアメリカの聴衆に心を込めて平和の大切さを訴え続けたことが、後にノーベル平和賞や文学賞にノミネートされる要因になったようでしょう。そして、この延長線上にグローバルな視点としての前述した「世界連邦」の発想があったのではないでしょうか。現在、ヨーロッパではテロが続き、朝鮮半島においても緊張が高まる中で、私たち日本人は他国の人々とどんな協力をすればよいのでしょう。その際必要になってくるのが、賀川先生が私たちに託した平和の「視点」ではないでしょうか。そして、その視点を明確にするための学びの質が問われているのです。
 
学校長 武部 公也
 

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