アレセイア通信 2016年5月号
創立者 賀川豊彦先生の「平和教育七原則」
今年度は本学園が創立70周年を迎え、様々な記念行事が行われる予定です。校名の「平和」が物語るように、平和学園は平和を念願とし、終戦後8ヶ月目の昭和21年4月27日に従来の白十字会林間学校の内容を一新して改称したキリスト教主義の学園で、神を信じ、隣人を愛して、あたたかい校風のうちに人間形成の実をあげようとするものです。平和学園の教育理想は、理事長賀川豊彦先生の起案になる次の「平和教育七原則」に表現されています。
平和教育七原則
1 生命尊重の教育 (平和)
2 敬虔の教育 (信仰・純潔)
3 勤労愛の教育 (労働)
4 博愛の教育 (愛と奉仕)
5 自然愛の教育 (動植物への愛)
6 発明発見の教育 (科学)
7 組織化の教育 (規律)
故に、平和学園の児童・生徒はこの建学の精神と教育の理想にもとづき、平和を愛し、神と人に仕え、自由にしてしかも規律ある生活を送らねばならないとしてきました。また、賀川先生は執筆された原稿の中で、平和学園の児童・生徒はキリストの心を心として、知徳を兼ねそなえる正しき人、心清き人、そして、悪をしりぞけ善を行なうに勇敢なる人、世の益となる真の人とならなければならないと述べておられます。
前号の巻頭言でも触れましたが、本学園のグローバル教育カリキュラムは、この理想の実現のための人間教育を重視するものです。決して目先の進路実績だけを最優先したり、一握りの人材を育成するためのものではありません。私たちは、創立以来一貫してキリスト教を羅針盤とし、地道に信仰を重ねてきました。そして、一切ぶれることなく、日々の礼拝を守ってきました。その成果が現在の私たち学園の教育の中で、少しずつ見られてきています。この営みを、賀川先生、村島先生はどう評価されるのでしょうか。本学園を巣立っていく卒業生が、グローバル社会の中で「いつでも どこでも 誰とでも協力できる社会づくり」のチームの一員とし活躍する日も近いのではないでしょうか。そして、本校で学んだ人間愛に満ちた教育が、花開くのもそんなに遠い日ではないのではないかと期待しています。
学校長 武部 公也