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根っこの成長

2022年12月 1日

「ほんの少し愛をください」

 子育て中には、思いもかけぬことがあります。嬉しいこと、悲しいこと。そんな経験を皆さんもしているのではないでしょうか。子どものすべてが可愛らしく、抱きかかえて大きくなった子どもが、自分の意見をしっかりと持ち、親とは違う方向を見るようになってきます。少し寂しいですが、成長してきているのです。そのような時には、思い出しましょう、我が子の愛おしさを。下記の文章は12年前の保護者の方々と思いを一つに分かち合った時の文章です。

 

「ほんの少しの愛をください」

 ずいぶん昔のことですが、子育てに悩んだ時に心の奥にしまってある「ほんの少しの愛をください」というこの言葉を思い出して、自分と向き合う時間を持ちました。子どもたちはいつも思っています。「ほんの少しの愛をください」と・・・・

 この言葉は、心も身体も傷ついた一人の少女が発した言葉です。どんな思いがその少女にあったのか充分にわかってあげることはできないかもしれませんが、出会った大人たちによって傷ついたことは間違えのないことのようです。私はこの言葉の意味を深く考える時が大人には必要なのではないかと思います。この言葉が頭の中を過ると涙がでて胸の中でキュンと音がして何かが崩れていくような気がします。子どもたちはきっとたくさんの愛を望んでいるのではないと思うのです。子どもを見つめるとき、叱るとき、向き合う時「ほんの少しの愛」で子どもたちを包んでほしいと願います。

  夜泣きをするこども、ご飯をあまり食べない子ども、片付けない子ども、何度言ってもいうことを聞かない子ども、ヒーローになれない子ども、勉強のできない子どもなど、子どもたちは出来ないところから生きる道が始まっているのに、出来ないことを叱られたり責められるのは「ほんの少しの愛」がそこにはないような気がします。

 大人の私たち皆で、「ほんの少しの愛」を広げていきたいと思います。

 子どもたちの素直な心を守り続けていくために・・・・・・・・。

 

≪私の経験から≫
落ち着きのない、元気すぎるくらいの我が子を自分の感情で何度叱ったことだろう、会話の中で子どもを傷つけてしまう言葉を平然と使っている私は一体誰だろう、と子育て真最中の若い私は気が付いていながらも自分の感情を抑えることができなくて、いつも我が子の寝顔に心が痛み「ごめんね」と涙したことだろう。子どもには寝顔に「ごめんね」とささやいても届かないことぐらいわかっているのに子どもの顔を見て、目を合わせて「ごめんね」がなぜ言えないのだろう。今からでも遅くはない、大人が素直に「ごめんね、ありがとう」と言える人になろう。