「いらっしゃ〜い!!」
とても威勢の良い声が幼稚園に響きます。2学期が始まって数日、年中組ではラーメン屋さんが開店し、様々なクラスからお客さんがやってきて大繁盛です。 接客をする子、ラーメンを作る子、看板を作る子。それぞれにやりたいものや必要なものを見つけ、選び取って、1つのラーメン屋さんが作られていきます。年 少組の子どもたちからいろんなクラスの先生まで、たくさんのお客さんでにぎわっていました。

一方で、洋服屋さんの店長さんは、お隣の年中組のお部屋に注文をとりに出かけました。それだけにとどまらず、もう1つの園舎のクラスまで、営業に出かけます。店長さんも自慢の洋服でおしゃれし、「かわいいお洋服でしょ。ひまわりさん(年長組)で売ってるよ。」と宣伝です。それを聞いた年中組の女の子たちは、「わたしもほしい」と言わんばかりに目をキラキラさせておでかけしていきました。そして、しばらくしてお部屋に帰ってきて一言。「ケーキ、おいしかったよ。」当初の目的よりも、うれしいものに 出会ってしまったようです。
こうした様々な遊びを見ていると、子どもたちの遊びも日々変化していて、身体だけではない成長を改めて実感できます。
平和学園幼稚園では、各園舎に年中組と年長組が隣り合っています。そのため、ラーメン屋さんは年中組、ケーキ屋さんと洋服屋さんは年長組です。そうしたクラス配置には理由があります。あこがれの年長組と隣り合い、生活を共にする中で、年中組の子どもたちは年長組がどんなことをしているのか肌で感じ、学んでいきます。来年の今頃、「この前の年長さんはね、こんなことしてたよ。」と思い出しながら、そこに自分たちらしさを積み重ねて様々なものを生み出していくのです。そうして、それが毎年受け継がれていきます。この隣同士のひびきあいが、平和学園幼稚園の教育の第一歩なのです。