平和学園は今年で72歳になりました。
毎年、この学園にゆかりのある方にお越しいただき、平和学園のことをお話ししていただいています。
今年は、平和学園高等学校OGで現ひかりの子・めぐみの子幼稚園の園長の豊嶋ときわ先生をお招きしました。
豊嶋先生は、今から55年ほど前に初めて平和学園を訪れたそうです。
平和学園高等学校に入学する前に、校長先生にご挨拶をすることが目的だったそうです。
当時の校長先生というのは、この学園の創立者のおひとりである『村島帰之先生』でした。
その頃、平和学園の周りには麦畑と別荘くらいしかなかったそうです。
「この先に一体どんな立派な校舎があるのだろう。」
「校長先生は、どんな立派なお部屋にいるのだろう。」
期待と少しの心配を抱えて学校へむかって歩いたそうです。
到着した場所は、学校があるとは思えない松林。
案内された場所は校舎というよりも一般の住宅に近いものであったそうです。
そこで豊嶋先生は村島校長先生と対面したのだそうです。
当時、村島先生は病を抱えられていてベッドに横になっていました。
「平和学園に来てくれて、ありがとう。ここはいい学校だよ。」
と、声をかけてくださったことが今でも思い出されるのだそうです。
そして、豊嶋先生の学校生活は、村島先生のおっしゃった通り、楽しいものとなったそうです。
当時の平和学園には様々な事情を持った子たちが通っていました。
体が不自由な子。訳があって親と一緒に生活ができない子。
それでも、ともに支え合いながら、認め合いながら過ごしていたのだそうです。
その経験を通じて、豊嶋先生は私たちに次のようなメッセージをくださいました。
平和学園の子どもたちは、ただただ平和に過ごしているだけではいけない。
平和を「作り出す」人になりましょう。
けんかをしたり、性格が合わなかったり、苦手であったり、人と人は上手くいかないこともあります。
だけど、間違えてしまったときに「ごめんね」と言える関係が大切。
認め合ったり、許し合ったりすることを通して「平和を作り出す人」になりましょう。
と、お話ししてくださいました。
昔の平和学園の姿を想像しながら、子どもたちはお話をよく聞いていました。
今、お話しすることはできない村島先生とも出会うことができました。
神様・イエス様によって建てられたこの学校の歴史を知り、そのために尽力した方の素朴な姿に
お話しを通じて出会うという、貴重なひとときとなりました。