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平和学園からのお知らせ

2016年9月30日

アレセイアの輝き 第143号

=平和学園からのメッセージ=         2016年9月30日(金)

アレセイアの輝き

アレセイアとは新約聖書ギリシア語で「真理」という意味です。

月 報 No.143 学校法人平和学園 キリスト教教育センター

 

「ワールドショータイム」 ―世界8ケ国を表現する―

幼稚園主任 河窪悦子

「無垢であろうと努め、まっすぐに見ようとせよ。平和な人には未来がある」(詩編37:37)

 

 7月のお泊り保育にて、年長組の子どもたちは一人ひとり顔写真入りのパスポートを持って8ケ国の旅に出かけるという活動をしました。全員、出国手続きをした後にくじを引いて、自分の国を決め、同じ組の仲間と一緒にその国について本やインターネットで調べたり、その国の民族衣装を作り、歌やダンスを練習しました。2学期に入り、この活動は継続し、平和祭において「ワールドショータイム」と称して他学年やたくさんの保護者に披露しました。

 8ケ国のうちのひとつ、日本チームは、沖縄を選び、エイサー用の衣装をグループ全員で作り、踊りを練習しました。その過程でもっと沖縄について知りたいと思った子どもたちは、沖縄をよく知る学園職員の方にお話を伺いに行くことにしたのです。「沖縄ってどんなところですか?」「沖縄の食べ物はどんなものがありますか?」・・・。子どもたちは、いろいろな質問をしました。それに対し、その方は、「沖縄は、海がきれいです。そして、人が優しく、中国と仲良しだから、食事の仕方は中国とよく似ています。・・・」と、たくさんお話しくださいました。

 私たち大人は、“沖縄”というと“イコール戦争”ととらえがちですが、本当にそうでしょうか。戦争の痛みや苦しみを後世に伝えていくことも大切です。しかしながら、本当の沖縄を知り、平和について考えていくためには、年長組の子どもたちがまっさらな心でお話を受け止めたように沖縄の文化的な歴史や自然の美しさなどをも知ることが必要なのではないかと思います。

 平和学園創立者の一人、賀川先生は、互いの生命を傷つけ合う戦いという形をとらずに、隣人を愛することを実践なさいました。本当の平和を創り出すために、様々な所へ自ら足を運び、日本にとどまらず、世界を旅して自分の目でその場所を、その国をよく知ることから自分にできることは何かを考えて、具体的な行動を起こし、その時代の方々と一緒に平和を創り出して行かれました。年長組の子どもたちは、日々の園生活の中で自分のことだけではなく、年中組、年少組の子どもたちのことを考えて生活しています。この子どもたちが世界を見つめ、世界が平和になるために自分には何ができるかを考える時に、私たち傍らにいる大人がまず、賀川先生のように広い視野と心をもって物事の本質を見極め、謙虚にひとつひとつの行動を起こしていく必要があると考えます。

 賀川先生は、真のキリスト者として、キリスト教信仰に基づく教育理念をもって平和を創り出して来られました。平和を思う、願うばかりでなく、実践する方でした。創立70周年を迎えたこの時に、もう一度、このことを深く心に刻み、子どもたち、保護者の方々、同僚の仲間と共に歩む者でありたいと思います。

「戦争は、人の心の中に始まるものであるが故に、平和の砦は人の心の中にこそ築かるべきものである。」

-ユネスコ憲章前文より―

 

平和学園幼稚園  「Small World Show!」

 年中の頃から国旗や外国に興味を持ち、地球儀と世界地図を囲んでいた子ども達。7月にパスポートと航空券を持ち赤い飛行機(スクールバス)で旅立ちました。訪れた国々で民族衣装をつくり民族舞踊や民謡をお土産に戻り、覚えた歌やダンスをたくさんの方に紹介しようと、平和祭で“Small World Show” を開きました。

 「きんちょうするね」「ドキドキしてきちゃった」なんて声も聞こえましたが、いざ本番になるといっぱいの笑顔で歌って踊り、たくさんの歓声と拍手をいただきました。一人ひとり、図鑑や写真を見ながらこだわって作った大切な衣装も持ち帰り、お家でも披露しているようです。

 どんなに遠い国だって、あっという間に友だちにしてしまう子ども達。いつかこの広い世界へ羽ばたいて、たくさんの“平和”をつくってくれることでしょう。

 

平和学園小学校  「バランス教室」

今年もサーフィン教室がやってきました。毎年4年生がプロサーファーのドジ井坂さんより指導を受けます。地の利を生かしたサーフィン教室。その道のプロに習うという平和学園小学校の「本物学習」のひとつです。今日はそのサーフィン教室の事前学習でした。ボードを使ってバランスの練習や体幹のトレーニングなどバランス感覚を養います。普段使わない筋肉や、普段しない姿勢に体が強ばりますが、子どもたちは少しずつ安定していきます。姿勢は何をするにも大事な要素。海岸でもバランス教室の復習をして、茅ヶ崎の海に入ります。毎年恒例のバランス教室ですが子どもの姿勢が良くなっていきます。

 

アレセイア湘南中学高等学校  「平和祭を終えて」

今年度の「平和祭」は、9月16日(金)が校内発表、17日(土)には一般公開がされました。校門前のアーチには、オリーブの葉を加えた大きなハトが描かれ、まさに「平和学園」を象徴しているように思えました。

平和学園創立70周年を記念して、‘‘RAINBOW’’というテーマを掲げ、様々なプログラムが行われました。中・高だけでなく、幼稚園、小学校、また保護者会、同窓会の催しもあり、より学園のつながりが深まった平和祭となりました。

特に小学校では、講堂で「平和とともに」が午前中に行われて、6年生等の平和のバトンが下級生に渡されました。また、中高で行った「絵本の読み聞かせ」にもたくさんの子どもたちが参加してくださり、よい交流の機会となりました。 

平和祭実行委員の気合の入り方もひとしおで、夏休み中も毎日の様に学校に来て準備をしていました。

後夜祭の後には、「やりきったぞ」という清々しい顔をした生徒の顔がたくさん見られました。まさに生徒自身で作り上げた「平和祭」といえるでしょう。