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平和学園からのお知らせ

2016年5月25日

アレセイアの輝き 第140号

=平和学園からのメッセージ=         2016年3月18日(金)

アレセイアの輝き

月 報 No.140 学校法人平和学園 キリスト教教育センター

〒253-0031 神奈川県茅ヶ崎市富士見町5-2  ℡ 0467-87-0132

アレセイアとは新約聖書ギリシア語で「真理」という意味です。

 

「求めなさい」      平和学園小学校 教諭 大野 仁

「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば、見つかる。門をたたきなさい。そうすれば開かれる。だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、門をたたく者には開かれる。」

(マタイによる福音書7章7節~8節)

 

2004年の3月、「太郎君が交通事故で入院しました。」という知らせが私のもとに届きました。太郎君は私が前の学校で、3年生の時に担任した生徒です。事故に遭ったのは彼が6年生に進級する直前でした。軽トラックのフェンダーミラーで後頭部を打ち付けられ、脳幹が傷つけられてしまい、生命は維持されているものの、意識はないとのこと。脳幹とは脳と神経を結ぶ重要な役目を持つ器官で、その機能が失われると人間は生命を維持できなくなります。私が太郎君の入院している病院を訪ねたのは事故の一週間後でした。話に聞いていた通り、意識はなく、目は開いているものの、呼びかけても全く反応はありませんでした。付き添っているお母さんは、「お医者様によると太郎の脳幹はほとんどが切断されており、回復の見込みはないそうです。」と言っていました。何ということでしょう。これから、たくさんの人と出会い、たくさんの経験をし、たくさんのことを感じ、豊かな人生を送っていくはずのたった11歳の子どもの意識の回復の見込みがないなんて!「それでも私は毎日何回も太郎に声をかけながら手や足や体をさすっているんですよ。」そんなお母さんの言葉に、私も太郎君にたくさん話しかけ、「回復の見込みはない」というフレーズに打ちのめされて帰ってきました。

それから、一カ月ほどたった4月の半ばごろ、再び、太郎君のお母さんから連絡がありました。「太郎の意識が戻りました。まだまだ、たどたどしいですが、リハビリもやっています。」早速、5月の連休にお見舞いに行きました。太郎君は奇跡的に回復をしていました。食事もまだよく動かない右手を使って頑張って自分でとっていました。その後の歯磨きも、トイレも良く動かない身体を懸命に使って自分でやっていました。その頃、私は、平和学園に来て2か月目、私も自信がなく迷っていた時期でしたが、彼と、彼のお母さんの姿を見て「自分も頑張らなくては!」と心を強くしました。

この何十日間、お母さんは、反応のない耳に向かって何度も何度も話しかけ続け、手を握り、腕を、足を、時には体をさすったのでしょう。絶望的な気持ちの中で、でも奇跡を信じて。毎日、何十回も何百回も、「太郎、おはよう」「太郎朝ごはんだよ。」「太郎、先生がお見舞いに来たよ。」「太郎、今日の看護師さんは○○さんだよ。」「太郎、今日は楽しかったかい。」「太郎、お休み」「太郎、手は痛くないかい。」「太郎、おなかすかないかい。」「太郎・・・。」と。お母さんの愛情のこもった呼びかけ、やさしい肌の感触・・・そういうものが、大きな刺激になって太郎君の心に届き、切れてしまった脳幹の神経の一本が、機能を回復し、また、一本が、さらに・・・、と何千、何万もの脳幹の細胞や神経がよみがえったのです。意識が戻ってからは、お母さんとの会話の一つ一つが太郎君の励みになり、今度は、お母さんと太郎君の二人で、脳幹の神経をつないでいったのでしょう。太郎君のお母さんは絶望的な中でも、太郎君の回復を求めました。回復の道を探しました。必死に回復のための太郎君の心の門をたたきました。そうしたら、与えられ、見つかり、開いたのです。お母さんが途中であきらめてしまったら奇跡は起こらなかったでしょう。その後、太郎君は退院し、中学校も卒業もしたそうです。

私は苦しくなると太郎君とお母さんの奇跡を思い出し、「求め、探し、たたく」決意を固めます。困難に立ち向かうのも諦めるのも自分です。ほんのわずかな可能性を信じて軌跡や夢を追い求めるのも、絶望して何もやらないのも自分です。そういう時に私たちは生き方や価値観、人間性を問われているのではないでしょうか。私は太郎君のお母さんのような生き方に憧れます。(2015年4月22日 小学校6年 教室礼拝)

 

平和学園幼稚園

「新しい年度に向けて」

幼稚園では今、それぞれの学年が進級、進学に向けて準備を進めています。年中組は年長組にウサギの飼育方法を教えてもらいました。子どもたちは、いつ自分が教えてもらえるかワクワクしながら待っています。「今日は○○グループさんお願いします。」と話すと「ワーイ!」と喜び、年長の子ども達の言葉と動きを一生懸命見て覚えようとしています。自分達でやってみてあこがれの年長組に一歩近づけたように感じうれしそうです。

 

平和学園小学校

「6年生を送る会 」 

各学年が卒業する6年生を喜ばせたいという思いで『6年生を送る会』が3月10日にありました。1年生の「おばけやしき」はかわいいお化けばかりのお化け屋敷。2年生の「友達クイズ」は2年生の好きな食べ物、飼っているペットなどを6年生に当ててもらうクイズ。3年生の「ことわざものまねクイズ」はことわざを舞台上で、表現しなんということわざなのかを当ててもらうゲーム。先生も勉強になりました。4年生は「人間ダウト」「誰でしょうゲーム」など小学校で昔から続く息の長いゲーム。誰が軽いランドセルを背負っているか、誰があの痛い足つぼボードの上に乗っているかなどを当てるもの。5年生は「歌」「感謝します」を5年生が歌いました。6年生と最も交流が深かった5年生の気持ちが詰まった賛美となりました。6年生は「予想クイズ」です。第一問はなんとジャンケン。どっちが勝つかを当てます。そしてなんと当てたほうが「正解」となります。相撲の勝負や一番はねるボールはどれかなど、盛り上がりました。さすが6年生。下級生の心をしっかり掴んでいました。児童会は「シルエットクイズ」。このクイズも小学校でずっと続く、息の長いゲームです。体の大きさや仕草、横顔は頭の中にしっかり記憶されていることがわかりました。あっという間の1時間半。今までの感謝とこれかの活躍を願う言葉に溢れていました。あたたかく、楽しい6年生を送る会でした。

 

アレセイア湘南中学校

「1年間、3年間を振り返って」

 中学3年生2名が『聖書とわたし』と題して礼拝で説教を行いました。本校に入学して初めて『聖書』にふれた2名でしたが、3年間の学びの中でそれぞれ気に入った聖句を見つけたようです。間もなく卒業を迎える3年生ですが、3年間で得たものを胸に、今後の高校3年間も過ごして欲しいと願っています。中学1年生は3月10日より一泊二日で校内研修を行いました。1日目の夜には『未成年の主張』を行い、1年間のそれぞれの学びや思いを振り返るよい機会になりました。2日目は岡本畜産へ出かけ、自然にふれるよい機会となりました。1年生は4月より後輩を迎えます。1年間の経験や学びを生かし、立派な先輩となって後輩のお手本になって欲しいと思います。

 

アレセイア湘南高等学校

「卒業礼拝・卒業式」

 今年度は、卒業礼拝が2月26日に、そして卒業式が3月1日に行われました。

 卒業礼拝では、日本基督教団横浜上原教会の平田一吉先生から『忍耐して待ち望め』という標題でお話をしていただきました。参加者一同、アレセイアでの最後の礼拝を、心からの讃美と感謝をもってささげることができました。

 卒業式は、前日の雨も上がり、晴天に恵まれたなか無事に執り行われました。卒業生による讃美「きみのたまものと」では、今までアレセイアで過ごした日々への思いがつまった、心の込められた美しい歌声で講堂が満たされました。

卒業生の歩む道が、恵みと祝福に満ちたものとなりますよう、心からお祈りしています。