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平和学園からのお知らせ

2012年9月25日

アレセイアの輝き 第116号

『ドルカスを通してできることは』  平和学園宗教主任 横山 厚志

 

「ヤッファにタビタ―訳して言えばドルカス、すなわち「かもしか」―と呼ばれる婦人の弟子がいた。彼女はたくさんの善い行いや施しをしていた。」(使徒9章36節)


 平和学園にはドルカスという特別活動があります。平和学園の歴史が始まった最初の頃からドルカスがあったと聞きました。平和学園の初代校長であった村島帰之先生は学園の近くに住み、病床にあることが多く、生徒達が先生を見舞った時からドルカスが始まったと言うことでした。


 聖書には使徒言行録にドルカスが登場してきます。場所はヤッファ、地中海に面した港町です。ここで彼女は、「女の弟子」と言われた女性であり、「かもしか」という意味のギリシア語の名前であり、アラム語でタビタと言います。このドルカスはたくさんの善い行いや施しをしていたと書かれてあります。聖書にはこのドルカスが病気で亡くなったのですが、ペトロによって生き返った様子が書かれてあります。ドルカスはこの町のやもめ達に対して数々の下着や上着を作ってあげたと書かれてあります。

 

 ヤッファは港町です。きっと多くの漁師がいて、漁に出かけたのでしょう。しかし、地中海の漁は大変であり、海が急に荒れ嵐に船が難破して命を落とした漁師がたくさんいたのでしょう。その漁師の婦人達、それがやもめ達でした。当時女性が1人で生きるのは大変だったと思います。働き手を失ったやもめ達が、失意の中で、家に閉じこもっていたのかもしれません。


 それらのやもめ達にドルカスは、着る物を作ってあげたのでした。ドルカスは「かもしか」と言う意味ですので、きっと素早く行動したのでしょう。悲しんでいるやもめがいれば、すぐに対応する。下着や上着を作って、届ける。ドルカスの行動が頭に浮かんできます。ドルカスの心の中には、いつもやもめ達がおりました。


 今、私はドルカスの顧問をさせて頂いています。ドルカスを通して生徒達と共に何ができるのだろうといつも考えています。私の個人的な思いの中には幼い子供達のことがあります。エコキャップの回収を行っています。この取り組みは以前からなされていたものです。キャップが貧しい世界の子供達のワクチンになっていきます。キャップが幼い子供達の命を助けることができているのです。小さな働きですが、素晴らしいと思います。


 またペープサートを始めました。紙でつくった人形劇です。簡単にできること、そして生徒達が一緒にできること、これをドルカスの活動の中心においています。作品を選ぶことから始めます。そしてシナリオ作り、ペープサート作り、そして練習、本番となります。今年は「ブレーメンの音楽隊」「赤ずきん」を作り、いつもお世話になっている平和学園幼稚園、近隣の保育園、神奈川県子ども医療センターなど、各地で上演しました。


 また昨年から被災地訪問を始めました。子供達に何かしら笑顔を届けたいと思って活動しています。東日本大震災が起った時、石巻市のひまわり保育園に行った時、被災した子供達に何かしたいと願っていました。最初、絵本などを届けようとしたのですが、実際に間に合わずできませんでした。それで実際に生徒達と行って、ペープサート「おおきなかぶ」「ももたろう」を届けました。ひまわり保育園の子供達、本当に喜んでくれました。被災した子供達に笑顔を届けようと願ったことですが、逆に子供達からたくさんの笑顔とやって良かったと言う喜びを頂きました。昨年の夏、冬、そして今年の夏と届けることができました。またこの冬休みにも何かを届けたいと考えています。


平和学園幼稚園 「シャワーづくり」


 二学期が始まり、夏休みを満喫した子どもたちが少し大きくなって幼稚園に帰ってきました。待ってましたとばかりに年少組ではごっこ遊びが始まりました。


「ねえ、お風呂つくろうよ。」

「いいねえ…。」

「おふろにはシャワーがあるよ…。」


 子どもたちの会話がはずみます。シャワーは廃材とホースでつくり、シャワーのお湯はスズランテープで作りました。


「きもちいいね…。」

「あ…せっけんとシャンプーがない。」


 子どもたちの生活の中にあるお風呂でひとりひとりがイメージを膨らませ、年少らしい遊びが広がっています。手ぬぐいをもってお風呂屋さんへ出発。

 

平和学園小学校 「東日本大震災から1年半」


 東日本大震災から1年半が経過しました。小学校では毎月震災を覚える礼拝を行い、連祷し献金を捧げています。今年度から幼稚園の先生方も、毎月献金を捧げてくださっています。先月8月2日に、アレセイア湘南中学高等学校のドルカスが、石巻市のひまわり保育園を訪れた際、一学期に小学校で集めた献金を園長先生に手渡してくれました。今後の日程ですが、10月11日にドルカスの被災地活動報告礼拝を行い、11月12日は、礼拝終了後にスクールバスを運転してくださっている鶴見さんから、災害救助犬を使った被災地救援活動メッセージがあります。


アレセイア湘南中学高等学校 「平和祭~GALAXY~」


 今年度の「平和祭」は、GALAXYというテーマで、9月14日(金)の校内発表・15日(土)の一般公開が行われました。正門には来場された方を歓迎する銀河をイメージしたアーチが、いこいの広場にはペットボトルで製作された恒例の巨大オブジェのロケットが出現しました。


 アーチやオブジェの歓迎をうけつつ、講堂や校舎、グラウンドには合計42のパビリオンが設置され、大勢のかたでにぎわいをみせました。この中には平和学園幼稚園・小学校の催し、保護者会の催しもあり、学園が一つとなった「平和祭」となりました。当日を迎えるまでには、夏休みから準備を始め万全な状態で臨んだクラス、1週間前から始め発表当日まで必死に準備をおこなったクラスなど、それぞれのパビリオンごとに、悲喜こもごものドラマがあったことと思います。


 特に文化部の発表がおこなわれたパビリオンでは、日頃の練習の成果が発表されていたのはもちろんのこと、この「平和祭」をもって高校3年生が引退する部活もあり、感動的な場面の数々が見られました。


 最後になりましたが、14日の校内発表時には平和小の児童の皆さんが大勢来場してくださいました。ありがとうございました。