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2019年2月 6日

アレセイア通信2019年2月号

賀川先生と協同組合

 私がこの巻頭言で賀川先生の生き方や考え方について原稿を書く際の大切な資料は、賀川豊彦(「助け合いの社会」を目指した功績を知る)という冊子です。この冊子は2018年6月7日の1月に、日本生活協同組合が発行しました。賀川豊彦を学ぶための「入門書」として世に送り出しました。ぜひ、時間があれば生徒諸君もじっくり目を通して欲しいです。

 その冊子の中に面白い記事が掲載されていました。賀川先生は私たち市民にとって豊かな生活を生み出すには、「協同組合」が不可欠だと主張されました。その協同組合を人間の臓器等に例えられました。1946年に出版された「協同組合の理論と実践」の中で次のように整理して説明されています。(復刻版が2012年に出版されました。) 

各協同組合 → 例えた臓器など
 生産組合 (生産者を主体として) → 筋肉
 消費組合 (消費者を主体として) → 消化器
 信用組合 (禁輸のために) → 血行
 販売組合 (消費者と生産者の連携として) → 呼吸
 共済組合 (利用厚生のため、共助互恵機関) → 泌尿器
 保険組合 (組合員の将来に対する保証) → 骨格
 利用組合 (各種の利用のために) → 神経系統

 人体がこれらを一つとして欠いてはならないように、人々の豊かな生活のためにはバラバラではない7種の協同組合がそれぞれの機能を果たしながらも、お互いに結びつき合うことが大切だと、協同組合の必要性を説いたようです。

 医学に詳しい先生ならではのまとめ方で、多くの人に共済事業の意味を知らしめたようです。この考えを基に、1947(昭和22)年に農業協同組合が、1949(昭和24)年には消費者生活協同組合が誕生していきました。さらに、この考え方が、後の全共済、全労済、日本生協連などの設立に繋がりました。社会活動家としての賀川先生の活躍が、現代に生きる私たちの生活にも大きく影響を与えています。その原点は神戸のスラム街での生活体験にあると言えます。そこでの体験を通して、貧しい人々を救う方法は、みんなで力を合わせて組織を作り、「防貧」をシステム化することだと決意されました。

学校長  武部 公也