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2017年10月 2日

アレセイア通信 2017年10月号

「現代の平和とは?」
 
 昨年度は学園創立70周年でした。それを契機に、この通信でもお二人の言動を追いながら原稿を書いてきました。前号の冒頭でも、賀川先生が考える平和の問題解決に関する文を掲載しました。その論点として、次のようなものを指摘されていました。
 
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1 『私たちは戦争を止めさせる論拠が必要なのです。』
2 『哲学だけでは戦争を止めることは出来ないでしょう。』
3 『私たちが経済的問題を解決できないままならば、戦争を抑えることは非常に難しいでしょう。』
 
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 現在、世界では様々な課題が山積し、平和が脅かされています。ISを中心としたイスラム過激派によるテロ事件、繰り返される北朝鮮の核実験やミサイル発射、独断的な言動を重ねるトランプアメリカ大統領の出現、中国・ロシア・アメリカの三すくみ状態、英国のEU離脱、平和を脅かす様々な出来事が続出しています。もし賀川先生が現在のような国際社会の状況に直面されたら、どう考え、どんな行動をされるのでしょう。前述した大きな対立だけでなく、小さな紛争は世界の各地で続いています。今までの号で述べてきましたが、賀川先生の「平和」への視点はぶれることがなく、平和を求める一貫した姿勢が明確に顕れています。戦争や対立を政治、経済だけでなく、宗教からも見つめる賀川先生の姿勢を私たちもきちんと受け継いでいかなければならないのではないでしょうか。その意味で、現在、本学園で進めているグローバル教育は単なる「国際理解」でなく、まさに「小さな平和」から「大きな平和」を築こうという理想の実現を目指しています。本学園を巣立つ子どもたちが、「いつでも どこでも 誰とでも 協力できる社会の一員として」創立者である賀川先生の想いを実現させる様々な活動に主体的に参加して欲しいと願っています。今、私たち日本人は他国の人々とどんな協力をすればよいのでしょう。その際必要になってくるのが、賀川先生が私たちに託した平和の「視点」ではないでしょうか。そして、その視点を明確にするための学びの質が問われているのです。9月上旬に御殿場の東山荘(初代校長村島先生が賀川先生から洗礼を授かった場所)で行われた高校3年生の修養会の中でも、「自立(自律)と共生」をテーマに真剣に自分の生き方を求めて活発な意見交換がなされました。その中で、アレセイア湘南中学高校で学んだこと、体験したことをどう今後の人生で生かしていくのかが論議されていました。その中で、「思考力」「言語力」「逞しさ」を求める本学園のグローバル教育の「質」の高さが発揮されていました。個性の違う集団の中で、お互いを尊敬し合い、認め合い、協力し合う素晴らしさを感じている生徒が多いことが実感できました。今こそ、私たち学園を巣立っていく子どもたちの「働き」が、国内外に関わらず、問われてきているのではないでしょうか。そして、きっと卒業生は分野を超えて協力し合っていくだろうと期待しています。そのために、不透明感を深める現代においてどのような「平和」を築いていくのか、子どもたちが学ぶ教育プログラムの充実が問われているのではないでしょうか。
 
学校長 武部 公也