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2017年7月20日

アレセイア通信 2017年夏休み号

「平和の意味とは?」 ― 賀川先生の平和論の視点 ―
 
 今回も、前号に引き続いて賀川先生が提唱された「平和の意味」を考えてみたいと思います。まずは先生の視点をお読みください。昭和26年に発行された「少年読本」からその骨子を引用してみました。(「雲の柱」第30号から一部転用)
 
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― 平和論視点の骨子 ―
 
1 動物の社会は、強い者勝ちだろうか。
 
 生存競争はあるが節度があり、弱い生物も意外と長く生存している。動物社会に相互扶助も見られる。
 
2 動物と人間はどちらが平和好きだろうか。
 
 人間の殺し合いは野獣よりこわい。平和的に生きる動物に学ばなければならない。
 
3 今日まで人間はどんな戦争をしてきたか。
 
 古来より人間は戦争をくり返し、3000年に3000回も戦争をしてきた。剣による征服者は剣で滅んだ。
 
4 戦争はどんな惨害を与えたか。
 
 草むすかばね みずく屍 戦場と銃後の双方に大きな犠牲がでた。
 
5 どうしたら平和がくるのか。
 
 人類の知恵で戦争は避けられる。戦争の起こらない世界連邦をつくろう。祖国愛でなく人類愛の世界をつくろう。
 
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 賀川先生は様々な分野に造詣が深く、宗教学や社会科学だけでなく、自然科学にも興味を持たれ、お話の中でもよく動物を引き合いにされて意見を主張されることがあります。
 
 「タコの武装解除」の話は有名です。今回取り上げてみた平和論の視点でも、動物と人間を比較しながら論点を整理されています。そのため、読み手としては理解しやすく、自分の考えを深める際にはとても有効だと思います。今回の5つの視点の中でも、5番目の視点に賀川先生の平和論の根幹が著されているのではないでしょうか。賀川先生は国内での布教活動や様々な社会活動の合間を縫って、海外に行かれ見聞を広められ、世界情勢を肌で感じ取られていたようです。戦前から、北欧型の社会福祉を提唱されたり、「世界連邦」の建設を訴えられたものの原点がそこにあったのではないでしょうか。海外で多くの人に出会い、共に学び、お互いの考えを交換していたことが、海外で高く評価され、ノーベル平和賞にノミネートされる要因になったと考えられます。現在の国際連合の安全保障理事会が各国の利害に振り回されている状況を、賀川先生は予想されていたのではないでしょうか。今こそ人類愛に基づいた世界、まさに「世界連邦」建設を進めるべきではないでしょうか。世界で起きているテロ、紛争だけでなく、大国が自国の利益を最優先させようとしている今だからこそ、発想の転換をしない限り真の平和は実現しないのではないでしょうか。ゆえに、世界平和のために働くまことの人が求められているのです。その人材を育てるための学校が私たち平和学園なのではないでしょうか。そして、神様に導かれてこの学園で学ぶ使命を与えられた君たちの「学び」が問われているのです。
 
学校長 武部 公也