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2017年6月 5日

アレセイア通信 2017年6月号

戦争はまっぴらだ  ―平和学園の使命はここにー
 
 今回は初代校長の村島先生の文から学んでみたいと思います。まずは先生の文をお読みください。昭和44年に発行された「平和のこころ」から引用してみました。
 
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 昔の戦争は武器の関係で死傷者の数も少なかった。有名な川中島の合戦は、謙信と信玄の両軍の四割が戦死したと言われたが、その数は八千人であった。天下分け目の戦いといわれる関ケ原の戦いは東西の軍勢十五万が必死になって戦ったが、この戦いで命を落とした者の数は両軍合わせて二千人。戦いに加わった兵の1.3%に過ぎなかった。もちろん、この数は正確とは言えないが、今日の飛行機や大砲や軍艦を使う戦争に比べて犠牲者の数の少なかったことは間違いない。…中略…10年前、広島に落とされた、たった1個の原爆のために7万人の市民が死亡し、十三万人がけがをしたが、今度発明された水素爆弾はその何十倍という破壊力を持つというから、八百万人の人口を誇る東京都も、5,6個の水素爆弾で一度に消えてなくなる勘定になる。もし、アメリカとソ連がこの爆弾を使って戦ったとしたら、地球上から人類が姿を消すことにもなりかねない。人類は自らを滅ぼすような自殺行為をするほどバカだろうか。原子力を発見した人類は、自らを破滅から救い出す方法を考え出せないだろうか。戦争はもうまっぴらだ。戦争を我々の力でなくさなければならない。平和学園の使命は実に此処(ここ)にある。
 
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 若い頃から大阪毎日新聞の記者であった村島先生は、戦前から様々な社会問題や平和について取材し社会に警鐘を鳴らしてきました。賀川先生とはその頃からの同志で、共に協力しておられました。そして、終戦直後、現在の地に平和学園を創立されました。多くの著作の中で社会問題だけでなく、文化・宗教・教育について自分の考えを著されました。今回の文もその一つです。決して長い文ではありませんが、平和学園で学ぶ私たちに明確にメッセージを伝えておられます。朝鮮半島をめぐる情勢は不透明なだけでなく、刻々と変化し、危険な状況が続いています。様々な報道がなされ、何を信じてよいのか分からない人が多く、ましてどんな行動をとればよいか…。賀川・村島先生の遺志を私たちはどう受け継げばよいのでしょう。校長としても悩むところですが、今、生徒の君たちに言えることは、「出番が近い」ということと、「平和を生み出すために真剣に学ぶ」ことの大切さは教えたいと思っています。国同士の争いを解決するためには、国民一人ひとりの自立と様々な「境」(ボーダー)を越えた理解と協力が不可欠ではないでしょうか。その意味でも、柔軟な心と頭をもった青少年期に多文化理解のプログラムが必要なのです。幸い私たちの学校は海外にも関係の深い高校や大学があるので、そことの交流を通してお互いの文化を学んでみてはどうでしょう。7月には台湾の淡江高級中学の生徒が来校すると共に、本校の生徒が英国の大学やオーストラリアの学校で学ぶ機会を持ちます。その交流で得たものを多くの生徒が共有できると嬉しいです。きっと遠くから創立者の二人が私たちの生き方を見守ってくださっているのではないでしょうか。ぜひ、生徒諸君は不透明な現代社会を真正面から見つめてください。そして、今、自分たちが平和を作り出すためにできることを考えて、できることから始めてみましょう。
 
学校長 武部 公也