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2017年3月10日

アレセイア通信 2017年3月号

巣立つ君たちに
 
 今回は3月1日に卒業するアレセイア湘南高校第66回生に向けての話を中心に書いてみたいと思います。今年卒業する生徒たちは、本校がグローバル教育カリキュラムを初めて試行した学年でした。国際理解や多文化理解を求めて、様々なプログラムに挑戦しました。「小さな平和」から「大きな平和」をコンセプトに、生徒自身の主体的な「体験」と新しい「スキル」(ウェビング、ランキングなどの新しい学習を身につけてコミュニケーションを深める)のコラボレーションを重視したカリキュラムを実践しました。全くの手探り状態からのスタート、生徒だけでなく教職員にとっても初体験のプログラムばかりでした。学外からたくさんの国際関係分野の専門家に来ていただき共に学びました。文教大学や東海大学でも学び、横浜の街頭でハラハラしながら外国人に英語でインタビューしました。そして、自分たちでアポをとり、都内のNGOも訪問しました。海外研修では、シンガポールでホームステイを経験しました。そして、卒業を迎えた諸君のその実践が、後輩たちのプログラムの「礎」となりました。
 
 本校の正門を入ると正面に石碑があり、「悩みのある日は神に祈り喜びの日は神を讃美してまっすぐな道を歩いて下さい。」村島帰之と刻まれています。この言葉は今から55年前の1962年3月2日の第11回卒業式にあたり、病床に伏す初代校長の村島先生が当時の卒業生に贈られたメッセージです。私たちの人生は「悩み」と「喜び」の繰り返しであると思います。その意味で、悩みのある日、喜びの日、この両方を集めたものが私たちの人生であると言っても過言ではないでしょう。ゆえに、村島先生は「人生常に神に祈り、神を讃美し、神様と共に生きること、それが平和学園、現在のアレセイア湘南の根本である。」と仰っているのではないでしょうか。
 
 残念ながら、今、皆で卒業を祝う式を行っている現在も、世界のどこかで尊い命が奪われ、君たちと同世代の若者が銃を構えて震えています。そして、日本国内に目を向けても、すべての人が心から安心して生活しているとは言えません。また、アメリカのトランプ大統領の登場により、グローバリズム(世界が一つになる動きや考え方)とナショナリズムやローカリズム(自国の利益を大切にしようとする動きや考え方)が正面衝突しそうです。この不透明な潮流をどう捌くかの主役は君たちです。言語、宗教、文化などの「壁」を乗り越えて「平和」を作り出す人になってください。きっとその道は平坦ではないでしょう。時には悩み、迷うこともあるでしょう。その時に、村島先生の言葉を思い出してください。悩み抜いた先にこそ、本当の喜びがあること信じてください。そして、君たちの人生において、これから出会う人々と手を取り合って平和な世界を築いてください。
 
 今号は卒業式の式辞として話すことを多少省きながら文にし、その要約を掲載してみました。
 
学校長 武部公也