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2016年12月20日

アレセイア通信 2017年1月号

創立者の歩みから学ぶⅢ
 
 
 新年まであと10日あまり、明日から冬期休業が始まります。そして、高校3年生はあと2か月で卒業を迎え、いよいよラストランニングになります。残念ながら世界の情勢を見ても、決して平和とは言えない状況が続いています。世界各地で紛争が終わらず、生徒たちと変わらない少年兵が武器を手にして戦場に臨んでいます。校名の「平和」が物語るように、平和学園は平和を念願し70年前に建てられた学園です。今回も創立者である賀川豊彦先生、村島帰之先生の足跡をたどり本学園の存在意義を考えてみたいと思います。
 
 前述した通り、私たち平和学園は、日本と世界の平和への願いを込めて設立されたものです。したがって、本学園を巣立って行く全ての人に期待されていることは、真に平和を愛し、平和を追い求め、平和を作り出す人となることです。学園聖句に「平和を作り出す人たちは幸いである」が選ばれたのも、平和学園の創立の精神の中心を言い表しているからです。全ての人間が平和を願い求めてきたはずなのに、今までの歴史の中で平和は実現しませんでした。そして、これからも容易なことではないでしょう。しかし、私たちは熱心に平和を追い求めるように促されています。聖書のペテロの手紙3章11節でも「平和を願って、これを追い求めよ」とありますが、真の平和、キリストの平和とは一体何でしょう。
 
 1963年(昭和38年)4月に、ローマ・カトリック教会の第264代教皇ヨハネ23世が、特定の宗教、イデオロギー、また、信条や利害を超えて善意あるすべての人に向けて語りかけた「地上の平和」という回章があります。その冒頭で次のように述べられています。「いつの時代にも、人々が心から求めている地上の平和は、神のお定めになった秩序を謹んで守らない限り、これを築き堅固なものにしていくことはできない。」この文中の「神の御定めになった秩序を守る」とは、決して悪しき現状を肯定するものではありません。また、神の秩序でないものを「これは秩序だから」と言って、不公平な現状にとどまらせるものでもありません。言葉を換えて言えば、「相手の存在を認める」と言うことではないでしょうか。つまり、「平和」とは、異質なもの、立場の違うもの同士が共存するということです。そのためには、相手の存在を拒否しないことです。
 
 何度も述べますが、私たちの学園は二人の創立者の「平和」への思いを実現するために創られた学園です。現在進行しているグローバル教育プランも、この思いを実現するためのプログラムです。すでに、国内外の大学で卒業生たちが様々なプログラムに挑戦しながら、グローバルイシューの解決や世界平和実現の方策を追究しています。在校生の中にも、学外の様々なプログラムに挑戦し、生きた学びを求めている人も増えてきています。学校は生徒一人ひとりの「夢」を広げる場で、私たち教職員はそれを支えるスタッフです。卒業していく生徒たちが世界平和に貢献することができれば、創立者たちの熱い思いにこたえることに繋がるのではないでしょうか。
 
 
学校長 武部公也