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2016年9月 2日

アレセイア通信 2016年9月号

創立者 賀川豊彦先生の「四つの平和」から学ぶ Ⅳ
 
 今年度は本学園が創立70周年を迎え、様々な記念行事が行われます。校名の「平和」が物語るように、平和学園は平和を念願し建てられた学園です。今回も前号に引き続いて、創立者である賀川豊彦先生の「四つの平和」について考えてみたいと思います。この「四つの平和」は賀川先生が昭和27年9月28日の中学高等学校校舎竣工式で挨拶されたものです。
 
 賀川先生の説かれた「四つの平和」
1 心の平和  2 家庭の平和  3 生活の平和  4 世界の平和
 
 今回は、最後にあげられた「世界の平和」について一緒に考えてみましょう。
 
 賀川豊彦先生は、戦前から日本国内は元より世界各地を歩いて回られ、それぞれの国や地域を丁寧に視察されました。そして、その経験を活かして、敗戦後の荒廃した日本で尾崎行雄先生と一緒に先頭に立たれて、各国家が、その主権の一部を世界政府に譲り、お互いに軍備を撤廃して戦争をなくし、世界を一つにするために、「世界連邦政府」を樹立させる運動を展開されました。挨拶の中で、わが国の明治維新を手本とし、廃藩置県を推進する過程で、わだかまりを解消し、一つの日本に統一していったその手法をこの世界連邦設立に活用しようと考えられた経緯を話されたようです。 
 
 賀川先生は、キリスト者として様々な活動に従事され、社会改革の旗を振り続けられました。この世界連邦政府の根本は、「世界の平和は大きな人類愛によらなければ実現しない。」という熱い想いでした。挨拶の中でも、「われわれは、皮膚の色がどうであれ、等しく神の子であると思えば、共通の愛がわく。所謂「四海同胞」である。」と述べられています。そして、戦前の世界で、国境や主権に拘りすぎたことを指摘すると共に、「国家利己主義」の時代から「人類愛」の時代への転換を強く訴えられました。
 
 賀川先生はその思いを実現するための一石が、この平和学園の創立でした。その精神が現在の学園の中で、どのように受け継がれているのでしょうか。学園内の幼稚園~高校で、大切にされているのは「キリスト教主義」と「平和学習」ではないでしょうか。それを「礎」にして考えられたのが、現在行われているグローバル教育カリキュラムです。公立校はもちろん、他の私学でも真似することはできません。何故なら、根底に流れている建学の精神が他の追随を許さないからです。私たちの学園は、世界平和に貢献するための「人間力」を育てるために、様々な体験活動や学習活動に取り組んでいます。悲しい事件は海外だけでなく、国内でも頻発し、心が痛みます。こういう時代だからこそ、私たち平和学園で学ぶ者として、世界平和に貢献する「まことの人」を目指して学び続けましょう。その第一歩は、日常の「小さな平和」を生みだすことです。そして、隣人を自分のことのように愛することができれば、徐々に大きな平和に近づけるのではないでしょうか。
 
学校長 武部公也