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2016年6月30日

アレセイア通信 2016年7月号

創立者 賀川豊彦先生の「四つの平和」から学ぶⅡ
 
 今年度は本学園が創立70周年を迎え、様々な記念行事が行われます。校名の「平和」が物語るように、平和学園は平和を念願し建てられた学園です。今回も前号に引き続いて、創立者である賀川豊彦先生の「四つの平和」について考えてみたいと思います。この「四つの平和」は賀川先生が昭和27年9月28日の中学高等学校校舎竣工式で挨拶されたものです。
 
 賀川先生の説かれた「四つの平和」
1 心の平和  2 家庭の平和  3 生活の平和  4 世界の平和
 
 今回は、二番目にあげられた「家庭の平和」について一緒に考えてみましょう
 賀川豊彦先生は、挨拶の中で「母と子」と言う四千位の家庭調査をした書物によると、青少年の不良化の原因は六割五分までは、家庭の不和からであると述べられました。その頃、賀川先生は終戦直後のわが国の青少年の犯罪増加を嘆き、自分達の教育の使命として不良少年を減らすことを念頭に置かれていました。そのため、当日の挨拶の中で「学校教育をいくら熱心にやっても家庭が悪ければ駄目で、学校を良くするためには家庭と学校が一つになって協力することが重要だ。」と話され、強く「家庭の平和」の必要性を訴えられました。
 
 それから70年、果たして今の日本の社会はどうでしょう。一人の人間の命や日々の平和な生活が大切にされているでしょうか。本当に平和な家庭が増えているのでしょうか。残念ながら、現代社会においては、崩壊する家庭が減少せず、そのことを起因とした一握りの少年たちの反社会的な行動により大切な生命や精神が脅かされることが少なくない状況が見られます。テレビや新聞を視聴するたびに、少年たちの悲しい行動が報道され、暗い気持ちになることもしばしばです。本校のグローバル教育は、「小さな平和」から「大きな平和」をコンセプトに、「いつでも どこでも 誰とでも協力できるチームの一員になること」を目指しています。そのために、心の豊かさを育む様々な体験学習や、集団の中でお互いが自由に意見を交換するための学習スキルの強化を図り、その両者の有効な融合を狙っています。
 
 賀川先生は、挨拶の後半で、中国の聖人老子の思想に触れられ、人間が生きる上で大切なものとして「無事」をあげられています。そして、当時の平和学園の在校生に対して、「この学園で、ゆっくりと、事故もなく自然科学や人文科学等々を研究し、有為な人物になって欲しい。」と願い、この「家庭の平和」の話を終えています。キリスト者として、様々な地域で布教された賀川先生は、本当に様々な人に出会われ、全身全霊で困った人を支えられました。そして、本気で「平和」を希求し、そのために多様な活動を展開されました。まさに、国境をなくし世界を一つにしようと考えた「世界連邦」の発想の原点が、この「四つの平和」にあるのではないでしょうか。次号では、「生活の平和」を取り上げたいと思います。
 
学校長  武部 公也